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盲目の少女は極限化する

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盲目の少女は極限化する

10 - 盲目の少女は極限化する 〜忍び寄る闇〜

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2021年06月23日

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キシャール

いよいよ…開封だな。

………。

樹お願い。

わかった…。

ガチャ…

キシャール

…封筒が一つか。

開けるよ…?

えぇ。

………。

キシャール

ん?

何も書いてない…。

キシャール

なんでだ!?

キシャール

誰かが消したのか!?

俺知らないよ…。

貸して。樹。

うん…。

サラ…。

…点字ね。

キシャール

点字ぃ?

遺言書 遺言者皇 椎菜は次のとおり遺言する。 1 孫皇 雷に次の財産を相続させる (1]土地 所在 〇〇市〇〇区〇町3丁目 番地 〇〇番 地目 宅地 地積 〇〇〇〇平方メートル (2)建物 所在 上記同所同番所在 木造建築二階建て居宅 床面積 一階 〇〇〇平方メートル 二階 〇〇メートル (3)同居宅内にある家財一式 (4)〇〇銀行本店の遺言者名義の普通預金(普通番号4381027)のすべて 2 遺言者は本遺言の執行者として、弟の皇 亮を指定する。 付言事項 遺言者は長男家族、次男家族に一切の利益を与えることがないようこの内容を 書くことにした。 遺書を入れた箱を隠すものが現れた場合直ちに警察を呼ぶように。 そして相続人である雷にわかるように点字で書いておきます。 〇〇年〇月〇日 〇〇市〇〇区〇町3丁目〇〇番 遺言者 皇 椎菜

なんて書いてあるんだ?

…読み上げたいけど…。

キシャール

客だ。

わかった行ってくる。

いらっしゃいませ〜。

晴翔

あのぅ…。

店にいた男は顔が真っ青で死んだ目つきをしていた。

なんのようですか?

晴翔

い…依頼を…しに…。

キシャール

樹。ボソッ

なんだ?

キシャール

そいつは通してよさそうだ。

キシャール

嘘の音はしないし…。

晴翔

誰か…いるんです…か?

いいいいいいいや別に…。

キシャール

(なんだこいつ。)

どうぞ奥に。

晴翔

お邪魔…します。

こんにちは。

晴翔

こん…にちは。

依頼内容は何かな。

晴翔

僕…父さんに古い洋館をもらって…。

晴翔

でもすごく暗い場所で…幽霊とか…出そうで…。

ほう。

晴翔

それ…で。

晴翔

走って玄関に戻ったら鍵が…なかったんです…。

晴翔

変な唸り声も…聞こえたから怖くて…。

警察に言わないんですか?

晴翔

僕の父が…元小人で…。

晴翔

こっちの世界の建物では…ないので…。

キシャール

なるほどなぁ。

晴翔

ヒィ!

晴翔

おおおおおおおおおおおおおお置物が喋った!!!!!!

キシャール

うるせぇ俺は置物じゃない!

晴翔

こんなにちっさくて土台の上に…立ってたから…置物じゃ…。

キシャールはあなたのお父さんと同じ小人なのよ。

晴翔

そう…なんですね…。

晴翔

ごめんなさい…。

まあ…依頼は鍵を探せばいいの?

晴翔

それと…建物の変な鳴き声の…原因を…調べて欲しいんです…。

晴翔

わからないと…また…鍵落とすかもだから…。

わかった。

その依頼受けましょう。

遺書はどうするんだ?

弁護士に任せる。

後キシャールが再現してくれてるから証拠もあるし。

晴翔

助かり…ます。

晴翔

あ…ここです…。

ぼっろ…。

失礼よ。樹。

晴翔

いや…この建物は90年ほっとかれてたって…聞いてるので…。

キシャール

そりゃ何か巣食うかもな。

キシャール

(…禁忌の森の屋敷…か。)

キシャール

(ここらはあいつらが…。)

晴翔

あっ。

ドシャッ!

晴翔

イタタ…。

大丈夫ですか?

晴翔

大丈夫…です。

キシャール

雷足元気をつけろよ。

………。

ありがとう。

うわぁ…。

キシャール

なんというか…逃げ出すのもわかるな…。

晴翔

でしょう?

晴翔

あ…キシャールさんと…樹さんは鍵を探してくれませんか…?

晴翔

僕は…雷さんと鳴き声の正体を調べに行くから…。

キシャール

任せろ。

キシャール

樹。行くぞ。

キシャール…あそこの2人一緒にしていいのか?ボソッ

キシャール

嘘をあいつは一回もついてないんだよ。

キシャール

だからまあ一応大丈夫だと…。

ならいいけど…。

晴翔

雷さん行きましょう…?

そうだね。

俺は後悔した。

あの男と雷を一緒に行かせたことに。

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