風間 夏海
思わずそう口から漏らしてしまったが、その言葉に誰も反応することなく、静かな事務所に木霊するだけ。
それもその筈、現在の時刻は22時。
そして週末でもあった。
風間 夏海
風間 夏海
事務所に一人になった途端、当たり前のように独り言を言っていたが、ふと向かいの椅子に、黒い鞄がちらりと見えた。
風間 夏海
風間 夏海
風間 夏海
そう気づいた時には既に遅く、隣からひょっこりと顔を覗かせて、鞄の持ち主でもある彼がいた。
山岸 清貴
風間 夏海
風間 夏海
山岸 清貴
風間 夏海
風間 夏海
よりによって同じ部署の彼に聞かれるとは思いもよらず、しかもそれが只の上司なら良かったのに、
私はどうやら、彼が好きみたいだ。
山岸 清貴
風間 夏海
風間 夏海
山岸 清貴
風間 夏海
風間 夏海
山岸 清貴
山岸 清貴
風間 夏海
山岸 清貴
風間 夏海
風間 夏海
「山岸さんはいつまでいるんですか」
なんて、聞きそびれてしまったけど、会話を続けたかっただけで。
風間 夏海
立ったついでに、と甘いミルクティで頭を回転させようと外へ向かう。
事務所は2階にあるが、ドアが開いている訳ではないが、下へ行くほど冬の寒さがよく伝わってくる。
風間 夏海
いつもは駐車場一杯の車も私と彼のしか無く、空を見上げて満天の星空を眺めては白い息を吐いた。
風間 夏海
向こう側から彼が早足で歩いてくるのが見えた。
山岸 清貴
風間 夏海
山岸 清貴
私は巻いていたマフラーをほどいて彼の首もとに巻き付けた。
山岸 清貴
風間 夏海
彼がきょとんとした顔をしている。
山岸 清貴
風間 夏海
風間 夏海
急に引き寄せられたと思ったら、次の瞬間には彼の腕の中にいた。
風間 夏海
山岸 清貴
風間 夏海
顔を上げると、マフラーの隙間から出る白い息と同時に、彼の顔が近づいてくる。
風間 夏海
山岸 清貴
風間 夏海
山岸 清貴
山岸 清貴
風間 夏海
耳元で囁かれて、一気に顔が熱くなる。
今年の冬は、彼のおかげで温かくなりそうだ。
そんな、冬の出来事。
fin.
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