こんにゃくな彼氏は大変です。

いつもの休み時間。

拓ちゃんは私の前で座ってて、

こんにゃくくんは私の隣の席をくっつけてお話。

その間にも、

"ぎゅうして"

なんておねだりは、

1日に1回は必ずある。

こういう時は大体受け入れて抱き締めてあげる。

耳元で嬉しそうに笑うこんにゃくくんに釣られて、

私も"ふふ"と笑う。

前にいる拓ちゃんは、

"見せつけんといて~"

なんて手で顔を覆いながら指の間でちらちら見る。

"ええやんええやん"

と笑うけど、

私は良くないよ、

こんにゃくくん。

まーーったく良くない。

大体私とこんにゃくくんがイチャイチャし始めると、

ある男子が反応して、

"おい！始まったぞ！！"

なんてみんなに声を掛けるから。

それで女子も男子も、

"羨まし~"

"相変わらず仲良い~"

とか。

酷い時は、

"キスしろーー！"

なんて叫ばれる。

小さな教室で。

さすがにその叫びには私もこんにゃくくんも困ったもんで、

2人して顔を見合わせ、

照れていた事を鮮明に覚えてる。

拓ちゃんが私の名前を呼んだ時、

"あ！！"

と大きな声を出して私達を指さす男子1名。

ああこれは…、

最後の人はよく分かんないけど、

始まった…冷やかし大会。

拓ちゃんは苦笑いしながら、

"ごめん、伝えるの遅かったわ"

なんて眉を下げる。

待って…

この冷やかしを避ける為に周り見てくれてたの？

なに？

天使なの…？

元はこんにゃくくんが、

クラスで甘えたを出さなければ良い話なんだけど。

どうしても、

こう…、

こんにゃくくんは甘えたを制御できないみたい。

まあそんな風雅くんも…、

嫌いじゃないけどね。