テラーノベル
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5
部屋の空気が、 また静かに凍る。 ⸻ 『ハル死んだ時と、同じ顔してる』 ⸻ クロエの声は淡々としていた。 でも、 その一言だけで十分だった。 レイの目が細くなる
レイ
クロエは肩を竦める。
クロエ
ノアはレイを見る。 窓際。 煙草。 伏せた目。 たしかに、 どこか壊れそうだった。 クロエは黒手袋のまま、 ユキの顎を軽く持ち上げる。
クロエ
クロエ
ユキの肩が跳ねる
ユキ
クロエ
クロエは小さくため息をつく
クロエ
その瞬間 レイが鋭く言った。
レイ
空気が揺れる。 ユキがびくっと肩を震わせた。 クロエは静かにレイを見る。
クロエ
レイは答えない。 ノアだけが、 その理由を少し分かっていた。 レイは怖いんだ。 ユキが、 昔の自分みたいに壊れていくのが。 そして、 ノアまで巻き込まれていくのが。 クロエはユキの手を見る。 震えている。
クロエ
ユキは戸惑いながら差し出した
クロエは慣れた手つきで確認し 静かに呟く
クロエ
ユキが頷く
ユキ
掠れた声。 ノアは煙草を咥えたまま、 静かに聞いていた。 ユキは続ける。
ユキ
その瞬間。 レイが小さく目を閉じる。 昔、 同じことを言った。 血まみれの夜。 ハルの隣で。 ——人を撃ったあと、 吐きそうになった自分。 クロエは銃を返す。
クロエ
ユキが顔を上げる。 クロエは淡々と言った。
クロエ
部屋が静かになる ノアが少し笑った
ノア
レイ
即答。 でも 少しだけ空気が緩む
その時だった。 ——バンッ!! 突然、 窓ガラスが砕け散る。 ユキが悲鳴を飲み込む。 レイが咄嗟にノアを引き寄せた。 乾いた銃声。 壁に穴が開く。
レイ
レイの声。 次の瞬間、 部屋の電気が落ちた。 暗闇。 雨音。 ガラスが床へ散る音。 そして。 廊下の向こうから、 ゆっくり近づいてくる靴音。 コツ、 コツ、 コツ。 静かで、 規則正しい。 ノアの目が細くなる。 レイは銃を構えたまま、 低く呟く。
レイ
暗闇の中。 雨音だけがやけに大きい。 ユキの呼吸が乱れている。 クロエは舌打ちして、 割れた窓を見る。
クロエ
ノアは低く笑った
ノア
クロエ
コツ、 コツ、 コツ。 靴音が近づく。 一定。 迷いがない。 レイは銃口を廊下へ向けたまま、 静かに言った。
レイ
ユキ
レイ
低い声。 逆らえない声だった。 ユキは唇を噛み、 ノアの後ろへ下がる。 その時。 廊下の奥で、 小さく火が灯る。 煙草。 赤い火。 暗闇の中、 その姿がゆっくり現れる。 黒髪。 眼鏡。 ワインレッドのシャツ。 黒いスーツ。 そして、 感情のない灰色の目。 ジンだった。
ジン
静かな声。 なのに、 空気が張り詰める。 ノアが笑う。
ノア
ジン
ジンは濡れた前髪をかき上げる。 その視線が、 真っ直ぐレイへ向いた。
ジン
レイは銃を下ろさない
レイ
ジン
ジンは少しだけ目を細める。 でも、 笑ってはいなかった。
ジン
レイ
ジン
静かな会話
でも、 空気は今にも切れそうだった。 クロエが壁にもたれながら呟く。
クロエ
誰も反応しない。 ジンはゆっくり部屋へ入る。 ガラスを踏む音。 その一歩ごとに、 ユキの顔が青くなる。 ジンは視線だけでユキを見る。
ジン
ユキの肩が震えた
ジン
優しい声だった。 だから余計怖い。 ユキは息を詰まらせる。 ノアが前へ出た。
ノア
ジンの目がゆっくりノアへ向く
ジン
静かな視線。 まるで観察するみたいだった。
ジン
ノアの眉が寄る
ノア
ジン
空気が凍る。 その瞬間。 レイの銃口が、 真っ直ぐジンの眉間へ向いた。
レイ
低い声。 殺気。 ユキが息を呑む。 でもジンは動じない。 ただ静かに、 レイを見つめ返す。
ジン
ジンが小さく呟く
ジン
レイの目が揺れる。 ハルが死んだ夜。 血まみれの雨。 置いていかれた記憶。 ジンは知っている。 全部。 そして次の瞬間。 ジンは静かに言った。
ジン
ジン
コメント
1件
**はる。** 重すぎる……!!! 第8話、一気に空気変わったね。ジン登場シーンの“優しい口調で怖い”感じ、めっちゃゾクッとした。レイの「似てない」と、クロエの「正常よ」の温度差も好き。銃声→暗転→靴音の流れ、映像で見たい演出やったわ。最後の「誰を置いて逃げるんだ?」で鳥肌。次回が待ち遠しい🔥