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奏音視点

ここは「人狼裁判研究所」の研究長室…前の扉。僕は今日からここに入所することになったのだが、今も扉前を右往左往している。最初はやっぱり緊張するものだ。だからここで5分ぐらいうろうろしても仕方ないことなんだ。

黒酔 奏音

(…いや、このままここにいたら何もできない。勇気を振り絞ってノックを…)

???

…あのぉ…すみません。もしかして研究員の方ですか?

見知らぬ女性が恐る恐る話しかけてきた。白衣を着ているから研究員だろうか?

黒酔 奏音

はっはい!!今日からお世話になる黒酔 奏音(くろよい かのん)です!!よろしくお願い致します!!

僕が頭を下げて言うと、彼女は慌てたように付け足した。

???

あっいえ!!…実は私もあなたと同じく今日からここで活動することになったんです。歴でいえば私の方が上だけど…

なるほど。確かに今日からここに入所するのが僕だけ…ということはないか。

篠 皐月

はじめまして。篠 皐月(しの さつき)です。…奏音君って呼んでもいいかな?

女友達はおろか彼女すらもできたことがない僕に女性耐性なんてものはない。少し恥ずかしい…よく見たらこの人すごい美人だ…

黒酔 奏音

!…もちろん…です!えと、僕は…

篠 皐月

皐月って呼んでくれる?それか皐月先輩!よろしくね。奏音君。

黒酔 奏音

は、はい…!

篠 皐月

…えと、この研究長室に研究長がいるんだよね?早めに挨拶しておこう。

黒酔 奏音

そう…ですね。…緊張する…

篠 皐月

大丈夫だよ!ここの研究長、結構優しいって噂だから!…所詮噂だから本当かどうかは分からないけど。

余計不安になってきてしまった。怖い人だからどうしようか…そんなことを考えていたのに、皐月さんが研究長室の扉をノックしてしまった。考えすぎはよくないし、挨拶してしまおう。

???

ん?…あぁ…はじめまして。篠さん、黒酔さん。

僕達が研究長室に入ると、椅子に座った男性が笑いながら穏やかに歓迎してくれた。

彼は白髪に銀色のピアスを付けていて、金色の印が縫い付けられた白衣を着ている。ピアスは付けていてもいいのだろうか?多分いいから付けているんだろうけど。

篠 皐月

失礼します。

黒酔 奏音

しっ失礼します…!

八雲 白湯

俺はこの研究所で研究長をしている八雲 白湯(やくも さゆ)。ずいぶん年が離れていそうだが…仲良くしてくれたら嬉しい。

確かに彼は30代後半ぐらいのように見える…が、空気を読んで20代後半とでも思っておこう。

篠 皐月

はい。

黒酔 奏音

はっはい!!これからよろしくお願い致します!!

八雲 白湯

…っと、改めてこの研究所に入所してくれてありがとう。正直人数が少なかったからすげ~助かったよ。

八雲 白湯

知っているだろうけど、この研究所について詳しく説明してもいいか?

篠 皐月

お願いします。

八雲 白湯

ここは「人狼裁判研究所」。数十年前に起きた「人狼襲撃殺人事件」について調査・研究をする研究所なんだ。

黒酔 奏音

人狼襲撃殺人事件…ここ、○○町の「異薬研究所」で起きた大量虐殺ですね。

僕がそう言うと、彼は肯定する代わりに微笑んでみせた。

八雲 白湯

異薬研究所については…いろいろと省く。俺が好き勝手言っていいことなのかよく分からないからな。

八雲 白湯

話を戻して、人狼襲撃殺人事件はその名の通り人狼に憑依された「と考えられる」研究員によって起こされた大量虐殺だ。

篠 皐月

…人狼ゲームと同じ人狼という認識でいいんですよね?

八雲 白湯

あぁ

人狼…人狼ゲームにおいての「悪」であり「取り除かなければいけない存在」。それは現実でも変わりない。

八雲 白湯

死者は約50名以上。研究所内の研究員ほぼ全員が帰らぬ人になった。…生きてる人もいるけどな。

八雲 白湯

原因は今も不明。とっくに時効は迎えてるが…模倣事件の発生が後を絶えないんだ。

黒酔 奏音

…模倣…事件…

八雲 白湯

だから俺達が「人狼による殺人」を0にし、平和な世界を取り戻す…まぁそんな綺麗事っぽい理由だな。

綺麗事と言われて彼には申し訳ないが、納得してしまった。これは「正義の味方」に作られた場所ではなく、ただの成人達によって作られた場所なんだから。

八雲 白湯

こんなこと言ってるが、意外と自由度は高いぜ。服装自由…まぁほとんどの奴は白衣だが、あと髪型自由…だから俺もこうして髪染めてるしピアス開けてるし…

篠 皐月

あ、年の髪色ではなかったんですね…?

八雲 白湯

喧嘩か?買うぞ?女だからって容赦はしないからな?

篠 皐月

嘘です嘘!

八雲 白湯

はあ…ったく、他にも問題児がいるんだ。勘弁してくれよ…

問題児か。少し会ってみたい気もする。マッドサイエンティストのような人なんだろうか?

八雲 白湯

…とにかく、俺の話はこれで終わり。どうせまだ他の奴らには挨拶してないんだろ?先に挨拶してきてくれ。終わったらこれからのことについて話すから。

篠 皐月

分かりました。

八雲 白湯

それじゃ…またあとでな。

黒酔 奏音

はい!失礼しました!

篠 皐月

…じゃ、行こうか。奏音君。

黒酔 奏音

はっはい!

僕達は彼に軽く一礼し、部屋を後にした。

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