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朝、教室のざわめきが止んだ
モブ
誰かの小さな声が、瑞希の背中に突き刺さる
当然だ
短くなった髪。
体の線を隠すような、男子制服。
ボクは、ただうつむいたまま教室に入った
暁山瑞希
暁山瑞希
そう、何度も心の中でくりかえす。
だけど、周囲の視線と陰口が
胸の奥で大きくなる。
____なんであんな格好(笑)
___結局どっちなの
___変なの(笑)
暁山瑞希
言葉にならない声が、喉の奥で震えた
放課後
ボクは足早に学校を出ようと思っていた
そのとき
正門の前に見知った顔が立っていた。
白石杏
杏だった
その目は驚きと、
強い心配に満ちていた。
暁山瑞希
暁山瑞希
白石杏
暁山瑞希
白石杏
そう言って、杏は真っ直ぐに
ボクの手を握った。
白石杏
白石杏
その声にボクは、言葉を詰まらせた
暁山瑞希
白石杏
白石杏
その瞬間、スマホが震えた
彰人__暁山、ちょっと顔見せろ
類__瑞希、僕でよければ話を聞くよ、?
全員がボクを心配していた
髪を切って、
制服を変えて、
少しだけ「ふつう」になろうとしていたボクを。
暁山瑞希
白石杏
白石杏
そう言って、杏が微笑んだ
その後、公園のベンチに並んで座った
暁山瑞希
暁山瑞希
暁山瑞希
暁山瑞希
暁山瑞希
暁山瑞希
言葉がポロポロと、あふれた
すると、前から聞きなれた声が届いた。
東雲彰人
東雲彰人
暁山瑞希
彰人が腕を組んで立っていた
東雲彰人
東雲彰人
東雲彰人
その背後から類も近づいてきて、
優しく言った
神代類
神代類
神代類
神代類
その言葉に、涙が止まらなかった
その後、夜のメールにはメッセージが並んだ。
杏__好きな物を着てる瑞希がいっちばん可愛いよ♡
彰人__また、まってるな
類__君は君だよ、瑞希
ボクの居場所はちゃんとここにあった
どんな髪でも、どんな服でも
どんな姿でも
ボクのことを認めてくれる人達が
こんなにも居た
暁山瑞希
暁山瑞希