ご褒美はおにーちゃん♡

ｶﾞﾁｬﾝ🚪

"いちばん殺さなくちゃいけないやつだ"

僕はあの日から、 おにーちゃんを避けている。

あいつと楽しそうに話すおにーちゃんを見て、独占欲と嫉妬が僕の心をかき乱す。

もうおにーちゃんに、 迷惑はかけられない。

だから、避けることを決意した。

おにーちゃんがなにをしても。

おにーちゃんが誰といても。

おにーちゃんに何があっても。

たとえ僕がどんなに辛くたって。 おにーちゃんが傷ついたって。

この気持ちを押さえつけるために、おにーちゃんを避け続けた。

おにーちゃんは何も知らない。

でもそれでいい。

おにーちゃんには、幸せになって欲しいから。

たとえあいつと付き合ったって。

クラスメイトと体の関係をもったって。

僕には関係ない。

僕はうまれた時から

"幸せなんてもってなかったんだ"

一度も祝われたことのない誕生日

ずっと覚えられなかった誕生日

どんなに苦しくて辛くたって

僕は我慢できた。

他人の幸せを考えられる人にって

自分が与えられなかったモノを

他の人に与えられるように

きっと僕が幸せを与えられなかったのは

他の人に幸せを与えるため

そんな綺麗事な理由をつけて

僕は誕生日を迎えた

ｶﾞｼｬﾝ

本当は…………

最悪な日の出来事だった