高橋side
大西流星
2日目のゲームが始まるまで、 大体20分をきったとき。
りゅちぇがのか細い声が聞こえ、 同時にギュッと袖が握られた。
高橋恭平
大きな目にうっすらと 涙を浮かべているりゅちぇに、 俺はできるだけ優しく返答した。
大西流星
大西流星
…。
正直、それについて、 俺は何も考えていない。
というより、考えないようしていた、と 言ったほうが適当かもしれへん。
高橋恭平
高橋恭平
大西流星
俺の問いに、りゅちぇは答えない。
ただ小さく、首を横に 振っただけやった。
高橋恭平
大西流星
大西流星
京本大我
京本大我
高橋恭平
ふいに、りゅちぇと俺の間に、 京本くんが入ってきた。
凛とした京本くんの横顔には、 少しの隙もない。
鬼同士の俺と流星のことも飲み込んで しまいそうな、すごい殺気やった。
京本大我
力が抜かれた京本くんの 口角が、微かに持ち上がる。
大西流星
京本大我
優しげな顔に戻った京本くんは、 優しく俺らの肩を叩いた。
京本大我
高橋恭平
京本大我
京本大我
最後に小さく微笑むと、 京本くんはこの場を去っていく。
京本くんはきっと、 おかしくなったわけじゃない。
だって、さっきの手。
俺とりゅちぇの肩を叩いたあの手が、 小さく震えていたから。
あんなに迫力を出せるのも、 弱い俺らを怒らないのも、全部。 京本くんの優しさ。
あくまでも自分未来は自分で決めろ、と、あの人は背中で教えてくれていた。
俺たちが決めるまでは、 京本くんが1人で全部を背負っている。 そんな状況は、 本来あってはならないことや。
年上やから? いや、そんなの関係ない。
その瞬間ー。
俺の中で、一つの覚悟が決まった。
ゲームマスター
ガサガサとした荒い機械音で、 俺たちの地獄の2日目が 静かにスタートした。
コメント
4件
続きめっちゃ楽しみ(っ ॑꒳ ॑c)…ワクワク💕