名を呼ばれ、病に堕ちる。
とある学園には、昔から「七不思議」が語り継がれている。
月乃桜とその友人たち4人は、気まぐれな放課後、
「全部検証してみよう」と、軽い気持ちで七不思議を辿りはじめる。
ろくに怖くもなく、どれも中途半端な噂話。
けれど、一番目の怪談《生病さん》だけは、妙に曖昧で、見つからなかった。
翌日、なんとなく一年生の教室へ足を運んだ4人は、
そこに座る一人の少年に、どこか“既視感”を覚える。
「あれ……この子……私たちが一年のとき……いた、よね……?」
だが、その記憶を口にした瞬間から、歯車は静かに狂い始める。
存在するのに思い出せない少年。
「気づいた者」に訪れる“奇病”という謎の現象。
彼は誰なのか。
なぜ、存在が“記憶に残らない”のか………