『不器用な恋は片思いから』いわふか
長年の相棒でもある【深澤辰哉】と【岩本照】。
お互い気を遣うこともない、絶対に変わらない関係だと信じていた。
――そんなある日、ふいに深澤が言った。
「俺、照のそうとこ好きだよ」
何気ない調子だった。
冗談とも本気とも取れないその一言に、岩本の心はひそかに揺れ始める。
なにげない仕草が気になる。
誰かと楽しそうに話している深澤を見ると、胸がもやもやする。
「こんな感情、知らなかった。」
戸惑い、意識して、それでもいつも通りに接しようとする岩本。
そんな岩本の変化に、優しく気づきながらも無理に追わず、静かに隣にいる深澤。
すれ違いそうで、でもどこまでも寄り添おうとする、
優しさに満ちた、不器用なふたりのラブストーリー。