繋がる記憶

らっだぁside

突然のことに皆の頭の上に「？」が浮かぶ 俺等がぴくとと会ってから数ヶ月が経った 正直別の世界も見てみたいと思う

呆れたように言うぴくとの次の言葉には 若干…否、結構引いた

辛辣すぎて

確かにそれはそうだ だけど冒険してみたくない！？ 新しい世界が見れるんだよ！？ そんなの行きたいに決まってる 一人では心細いから3人を誘ってるんだけど 正論しか言ってくれない… 肯定の言葉を聞ければそれで良いのだが

一瞬葵が女神に見えた 後は残りの悪魔がそんな風に言ってくれればいいのだが

流石だ やっぱりぴくとは葵に着いていくか 後はきょーさんだけだ 圧で引いてくれれば良いんだけどな

喧嘩するスレスレだ 確かに第三者から見ればきょーさんの方が正しいだろう 俺も頭の中では分かってる 俺達みたいな子供が4人で遠出何て危ない

俺を除いた3人が目を此方に向けるのが分かる 俺のここまで真面目な姿を今まで見たことが無いからだろう やらなきゃいけないのに何も出来ていないこの状況から

「抜け出したいんだ」

ぴくとはうすside

誰も居ない大地で舌打ちをする こんなことなららっだぁの提案に賛成しなきゃ良かった 運悪く盗賊に会って皆とバラバラになってしまった

一旦自分を落ち着かせ、思考を働かせる 歩いていけば人には会えるはずだ 取り敢えず今日を生きなければ こんな砂漠に食料や水は無いから取り敢えず 飲み食いができる場所へ行きたい

もう随分歩いただろう 此処に迷い込んでから半日は経ったはずだ 奥に森が見え、人々が話す声が小さく聞こえてきた 微かな希望が見え、空腹も忘れ森の方へ一気に走り出した

どうやら整備された道のようだ 道を辿っていけば村が見えてきた 人が優しければ食と住は何とかなりそうだ

安心しきった所で眠気が襲ってきた 最近は全く寝ていなかったからだろう 体が後ろに倒れていくのが分かる 体に衝撃が走ったところで俺は意識を手放した

黒い影はぴくとの顔を見るなりぴくとを 抱えて急いで村の民家に走っていった