テラーノベル
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ザーッ……
放課後。
空は朝から曇っていたが、ついに雨が降り始めた。
天音 湊
天音湊は慌てて鞄を頭の上に乗せる。
傘を持ってくるのを忘れていた。
家まではまだ遠い。
雨はどんどん強くなる。
天音 湊
辺りを見回したその時だった。
路地裏の奥。
見たことのない喫茶店が目に入った。
『月影喫茶』
古びた木の看板。
暖かい灯りが窓から漏れている。
天音 湊
少し迷ったが、雨は止みそうにない。
湊は扉を開けた。
チリン……
鈴の音が店内に響く。
黒瀬 悠真
優しい声が聞こえた。
カウンターの奥にいたのは、黒髪の青年だった。
穏やかな笑顔を浮かべている。
黒瀬 悠真
天音 湊
店内は静かだった。
コーヒーの香りが漂い、どこか落ち着く。
湊は窓際の席へ座る。
数分後。
白海 塁
聞こえた声に顔を上げる。
そこには白髪の青年が立っていた。
柔らかい笑顔。
どこか親しみやすい雰囲気。
天音 湊
白海 塁
青年は少し考えてから笑った。
白海 塁
天音 湊
白海 塁
しばらくして運ばれてきたココアは、とても美味しかった。
身体の芯から温まる。
天音 湊
思わず呟く。
すると。
白海 塁
さっきの青年が笑った。
天音 湊
白海 塁
青年はそう名乗る。
白海 塁
天音 湊
白海 塁
塁は優しく微笑んだ。
その時だった。
ガタン。
店の奥から何かが倒れる音がした。
雨宮 しずく
慌てたような少女の声。
灰崎 狼牙
低い男の声が続く。
雨宮 しずく
店の奥から聞こえる賑やかなやり取りに、湊は思わず笑った。
なんだか不思議な店だ。
初めて来たはずなのに、居心地が良い。
外を見る。
雨はまだ降っていた。
でも。
天音 湊
そう思った。
なぜかは分からない。
ただ、この場所が少し気に入ったのだ。
その時。
塁が窓の外へ視線を向けた。
一瞬だけ。
本当に一瞬だけ。
その笑顔が消えた。
天音 湊
湊が振り返る。
だが外には誰もいない。
再び塁を見ると、いつも通り優しく笑っていた。
白海 塁
天音 湊
気のせいだったのだろうか。
だが湊はまだ知らない。
この喫茶店が、
人間だけの場所ではないことを。
そして――
白海塁という青年が、
誰よりも恐れられている存在だということを。
#日常
コメント
1件
いや〜、第1話からもうエモすぎん??😭💕 雨の日にふらっと入った喫茶店のあたたかさと、店員・塁くんの優しさに癒された…!「また来ようかな」ってなる気持ち、めっちゃ分かるよ〜。「人間だけの場所じゃない」って一文で急に世界観ぶわって広がったし、塁くんの一瞬消えた笑顔も気になりすぎる…!続きが待ちきれないよ🌸