沢田マリカ
沢田マリカ
女性の声に静さんは動きを止めた
沢田マリカ
沢田マリカ
井川静(じん)
静さんはかなり戸惑っていた
扉の向こうにいるのは警察でも弁護士でもなく
学校関係者でも児童相談所の職員でもなかった
なぜ臨床心理士が自分を訪ねてきたのか
しかもその臨床心理士は自分と話したいと言っている
様々な疑問が頭の中を旋回する
井川静(じん)
井川静(じん)
静さんは動揺を隠しきれず
沢田マリカ
沢田マリカ
井川静(じん)
沢田マリカ
井川静(じん)
沢田マリカ
井川静(じん)
井川静(じん)
女性の問いかけにも応じようとはしなかった
静さんは頭の中で何度も考えた
突然、現れた臨床心理士を名乗る女性と二人の男性
男性二人のうち一人の男性はドアを壊すと言っている
井川静(じん)
だがその直後
その女性(私)の問いかけに静さんの心が揺れる
沢田マリカ
沢田マリカ
頭の中で何度も考えた
そもそもこの人達の目的は何なのか
何のためにここまで来たのか
そんな疑問が頭から離れなかった
井川静(じん)
それでも拭いきれない不安を胸にドアノブに手を伸ばした
微かにギィと言う音を立てて開く扉
ゆっくりと開いた扉の向こうに
一人の女性と二人の男性が立っている
沢田マリカ
芹沢大和
三人が彼女の放つ悪臭に顔を歪ませる
女性は鼻をつかみながら
沢田マリカ
そう問いかけてきたが
その問いに答えることができず
ただその場に立っていることしかできなかった
三人がここに来た目的もわからず
"扉を開けてほしい"と言う女性の言葉に従った
まさかこの三人が
彼女を救いに来たとは思いもしなかった
沢田マリカ
女性があすみさんに気づいて小さな悲鳴を上げた直後
三村優真
もう一人の男性が部屋の奥へと押し入り
必死に彼女に呼び掛けている
三村優真
三村優真
まさかその男性の正体が
彼女を拉致した三村優真だとは夢にも思わず
沢田マリカ
女性(私)の一言に驚きつつ
井川静(じん)
呆然とその男性のことを見つめていた
三村優真
井川あすみ
その男性の言葉に反応する彼女の姿を見て
静さんはとても複雑な気持ちになっていた
自分が何度呼び掛けても反応を示さなくなった彼女が
その男性のたった一度の呼び掛けに答えたのだ
井川静(じん)
沢田マリカ
井川静(じん)
悔しさと共に言い様のない恐怖が襲ってくる
井川静(じん)
そんな考えが頭の中を駆け巡った時
沢田マリカ
突然、女性が自分の腕をまくった
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