コメント
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井川静(じん)
そんな考えが頭の中を駆け巡った時
沢田マリカ
突然、女性が自分の腕をまくった
全ては彼女を守るためにしていたこと
けれど傍から見れば
妹を虐待した冷酷な兄
それが母親の命令だったとしても
虐待を続けた事実が消えることはない
沢田マリカ
沢田マリカ
井川静(じん)
病院で治療を受けて大分よくなったようだが
あの時、静さんの両腕には無数の傷があり
一部、包帯を巻いていた箇所からは
傷が膿んで汁が滲み出ていた
井川静(じん)
井川静(じん)
沢田マリカ
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
井川静(じん)
あすみさんの命を引き合いに出し
静さんに彼女を暴行するように命令していた
静さんは大切な妹を守るために
非情なふりをして猛攻を続けた
自分のしていることが危険なことだと言う自覚もあったが
そうする他に道はもうなかったようだ
井川静(じん)
井川静(じん)
静さんはショックだった
目の前にはあすみさんを拉致し
彼女の傷を治療し救おうとした張本人がいて
彼女の名前を呼び続けている
その言葉に彼女も僅かながらに反応を示し
その光景を見ているのが辛かった
同時に怒り狂うかすみさんの姿が頭に浮かび
足の力が抜けてへたり込み
動けなくなってしまった
その間にもう一人の男性が奥へと進み
あすみさんを拘束していたロープを切断
あすみさんを部屋の外へと連れ出した
芹沢大和
ぐったりして動けなくなっている彼女を
あの男性が抱き抱えて必死に名前を呼ぶ
女性が119に電話をして
全員で階段を降りて外に出ると
そこではかすみさんがヒステリーを起こし
中年の男性が応戦していた
男性の顔には爪で引っ掻いた痕があり
騒ぎを聞き付けた近所の人が集まっていたが
かすみさんは興奮で回りが見えていないようだった
高城寛貴(所長)
沢田マリカ
女性の言葉にかすみさんが反応し
井川かすみ
でも静さんはわかっていた
もう全てが終わりになるのだと
その後
近隣住民の通報で来たと言う男性が現れた
沢田マリカ
通報したのはお隣の吉村さんだと思った
かすみさんの動きが止まり
程なくして応援の警察官と救急隊員が到着し
静さんはかすみさんと共にパトカーに乗せられ
彼女は救急車に乗せられた
あの男性が救急車に乗ろうとすると
別の警察官がそれを止めて
何やら揉めているところでパトカーが出発
静さんはずっとかすみさんを恐れていた
かすみさんの殺意からあすみさんを守るために
あの日も私達に抵抗しようとしたが
まさか警察が来るとは思わなかったのだろう
井川静(じん)
井川静(じん)
実の母親が連行される姿を見て
静さんは心の底から安心していた
これでもう誰からも
彼女は傷つけられなくなるとわかったからだろうか