雨の日に
色とりどりの
傘開き
私の赤も
今咲きにゆく
ブラック企業。
私が働く会社もその一つ。
サービス残業は当たり前。
残業代も勿論出ない。
上司の仕事は押し付けられるし、
帰れるのは終電ギリギリ。
私の友達も次々と辞めていった。
仕事は日に日に増えていく。
人手が足りないのだろう。
当たり前だ。
こんな会社辞めてやる。
と、退職願を出したこともあった。
でも、ビリビリに破り捨てられた。
人手が足りないのだろう。
当たり前だ…。
あぁ…
この会社に就職したら逃げられない。
今更気づいても遅いよ…私…
辞めてやる。
ある日私はそう思った。
いや、ずっと前から思っていた。
外は雨だった。
私がこの会社に就職した日も雨。
丁度いいや。
今日、辞めてやろう。
下を見下ろすと
色とりどりの傘が咲き乱れていた。
私はそれを見届けて
空を飛んだ。
私は
真っ赤に咲き乱れた。
雨の日に
色とりどりの
傘開き
私の赤も
今咲きにゆく