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あの夜から数日が経った。
またパニック発作が起きた。 颯斗は変わらず優しく、何も責めなかった。 叩かれても、泣き喚かれても、 ただ静かに抱きしめてくれる。
それが、逆に、永玖の胸を締めつけた。
えいく
夜。部屋の明かりを消して、 ベッドの上で永玖は膝を抱えていた。
えいく
ふと目に入ったのは、 机の引き出しの中にしまっていた処方薬の瓶。
えいく
ゆっくりと立ち上がり、引き出しを開けた瞬間―― その手を、後ろから強く握られた。
はやと
声が震えていた。 振り返ると、そこには息を切らした 颯斗が立っていた。
えいく
はやと
颯斗は、引き出しの中の薬を見て、目を閉じた。 そして、永玖の肩を抱きしめた。
はやと
永玖の目から、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
えいく
はやと
そのまま、ふたりは床に座り込んで、抱き合った。 永玖の手から薬の瓶が落ちて、カランと音を立てた
はやと
永玖は声をあげて泣いた。 誰かに「生きてくれ」と言われたのは、いつぶりだったろう。 心の奥に張り詰めていた何かが、ようやく、少しだけ緩んだ。