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助産師

先生…これは…

医師

…残念ながら、母子ともに死亡

助産師

………

助産師

こんな事、助産師やってから四度目です…この前運ばれてた方も…

医師

……最近、妊婦が出産後に母子が死亡する異例が出ている…多分彼女もその被害者だろう

医師は緒方へと目をやる。 彼女は出産後、息を引き取ってしまった。母子ともにーーー。

そして、助産師の手には冷たくなった赤子

医師

……この事、彼女のご遺族に伝えよう

医師

私は彼女のご遺族に連絡をするから、君は遺体の処理を

助産師

は、はい…

医師

(一体…何が起きているのだ??)

翌日

通話終了

通話
02:35

加奈

ん?あれ?桜??

翌日、桜から着信が来てる。 私はベッドから起きて通話に出る

加奈

桜?こんな朝から電話なんて

加奈…大変…

緒方さんが…死んだ

加奈

え?

加奈

死んだって…嘘だよね…?

本当…昨日の夜同じ薬学部の人から聞いた話だと、出産後に息を引き取ったって

昨日救急車に運ばれたのでしょ…?緒方さん

加奈

う、うん…運ばれたのは…確かに緒方さんだった…

昨日の人だかりを思い出す。 確かに、救急車に運ばれたのは間違いなく緒方さんだった。

でも、運ばれるの見た時に不信に感じた…

加奈

……あのさ…緒方さん、昨日大学に会った時五か月って言ってたね?

あっ…確かそうだった…でもさ、不信に気づいたんだけど…

見送った後…お腹少し膨らんでた気がしてて…

加奈

……やっぱり…

やっぱりって?

加奈

運ばれた時、大学にいた時より大きくなっていった…恐らく、八か月ぐらいの大きさに

……もしかしたら…やっぱりあれ…子魔さんじゃ…

きっと子魔さんが緒方さんの体に宿って妊娠させて…

加奈

子魔さんって…

多分そうだよ!!その現象それしかないよ!!

加奈

………

その後、緒方さんの葬儀は後日行われた

彼女のお通夜では私と桜も出席した。勿論、大学の関係者も

彼女の遺族らは、何故死んだのかは分からない。突然の事でご両親も困惑していた。 交際も結婚もしておらず、突然の妊娠…

葬式には、緒方さんの交際相手らしき人物はいなかったーーー。

考えられるのは…奇妙な都市伝説…子魔さんの仕業だとーーーーー。

お焼香を終え、葬式場を後にした私と桜。二人とも、暗い感じで夜道を歩いて行く。

………

加奈

………

…なんか…何とも言えない…

加奈

…そうだよ…突然死んだのだから…遺族も驚いているよ…

加奈

それに…交際相手らしき人はいなかったね…。何で産んだ後死んだか受け入れていない様子だったし、相手は誰か分からないのに…

……あのさ、やっぱり…あの都市伝説のせいだよ…

子供を産んで、生気を奪われて…やっぱりあの噂…!

加奈

さ、桜…

絶対そうだよ!あの噂、子魔さんが緒方さんを殺した!!それで生気を吸われて、痛くて痛くて…!

加奈

桜…!

加奈

確かに、私はあの噂信じないけど…

加奈は…こんな時に信じないって言うの?

この前の私ら見たんでしょ?

加奈

……それは…そう、だけど…

何も言い返せない… 桜が感情的になる。

緒方さんが死んだのは、子魔さんが胎内に宿って妊娠させたからだと。生気を奪って殺したのだと。あの都市伝説が本当なんだと…そう桜は思い込んでる

加奈

た、多分…母体が死なずに産める体を探していると思うけど…あの都市伝説の書き込み、本当にあったら怖いけど…

本当にあるって言うなら…まじないか何やら書いてある…有名な都市伝説のまじないや対処法だって!

帰って…掲示板見ないとね…

加奈

……あれば、いいけどね…でも、無かったら私たちで探そう?

…そう、だね…な、無かったら探せばいいものね!

加奈

……

私は不安になりながら微笑む

対処法やまじないが無かったら、自分たちで探せばいいと

加奈

さ、さっ取り合えず帰ろう

そ、そうよね…

私は再び夜道を歩く

桜も後に続いて、歩こうとするとーーー。

ふと視線に、遠くに何かいると気づくーーー。

水子の霊のような物体

フワァ…

桜の視線に、霊のような物体。見た感じ子供の霊のようなーーー。

…何…あれ…?霊…?

加奈

桜?

私は後ろを向く

桜が後ろ向いてる先に、霊のような物体がいる

加奈

桜!

あっ…ごめん、なんか霊っぽい物体がいたから…

加奈

霊っぽい…何か?

私は桜の視線に合わせる。

加奈

……あれ…何?ゆ、幽霊??

加奈

遠くから見ずらいけど…なんだか、子供のようで…水子のような…??

水子の霊のような物体

ーーーーーー。

霊のような物体がこちらを見ているーーー。いや、

よく見ると…段々近づいているような?

加奈

…なんか気味が悪い…こっちに近づいてる?

…だ、だね…ま、まさか…子魔さんって事は…

加奈

…か、帰ろう??

そ、そうだな…なんか気味悪いし…

私と桜は霊のような物体を後にし、速足で帰って行ったーーー。

でも…段々こっちに近づいてる事はーーーー。

水子の霊のような物体

ーーーーーーーー。

嶋野家

帰宅した私は喪服を着替えて、お風呂に入った

帰りに見たあの物体が何なのか気になっていたけど…霊的な何かかもしれない

加奈

ふぅ…

お風呂から上がった私は、冷蔵庫から冷たい炭酸ジュースを出しグラスに注いだ

加奈

ゴクッ…ゴクッ…ん~!はぁ…

炭酸ジュースを飲んだ後、ため息をつく。

加奈

……

加奈

(帰り二人が見たアレ…何だったのだろう。子供の霊にしても…水子の霊が彷徨ってはいた)

加奈

(でも、あの霊…私たちの方に近づいているような?)

私はカーテンを少し開け、ベランダの外を見る

加奈

ん?あれ…??

ふと外を見ると…玄関付近の下に何かいる。 あれはーーー帰りに見た水子の霊のような物体

加奈

なんで…??こっちに来てる??

私の住んでるマンションから、徐々に近づいてるのが分かるーーー。

加奈

…着いて来てる??でも…

陽詩

お姉ちゃん?

加奈

はっ…

はっと、妹の声でカーテンを閉めた

妹の陽詩(ひなた)と私は一年前に母親を亡くしてからは二人で暮らしている。バイトをしながら、生活費を稼いで苦労している生活が続いている。

加奈

ひ、陽詩…な、何かあった?

陽詩

お姉ちゃん葬式から帰ってたんだ。ご飯は?

加奈

……そ、外で食べて来て…

陽詩

そ、そうなんだ…それより、お姉ちゃん

陽詩

さっきベランダの外見てたけど…なんかいるの?

加奈

あっ…さっき変な物体がーーー

私はカーテンを開けベランダの外を見る

加奈

あ、あれ…?

陽詩

……何もいないじゃない…

外を再び覗くと、その物体はいなかった

加奈

…さっきまでそこにいたのだけど……

陽詩

…疲れてるのじゃない?

加奈

…そうかも…可笑しいな、さっきまでいたのに

辺りを見渡してもあの物体はいなかった。私はカーテンを閉めた

陽詩

…幻覚でも見た?

加奈

う、ううん…お姉ちゃん疲れているかも。もう寝るね

陽詩

そ、そう…?

私は苦笑いを浮かべる

陽詩

それじゃあ私冷蔵庫のジュース飲んでから寝るから

陽詩はキッチンに入り、冷蔵庫から炭酸ジュースを取り出す

私はグラスをシンクに戻し、自分の部屋に戻ろうとするとーーー。

水子の霊のような物体

ーーーーーーー。

加奈

……えっ?

加奈

(嘘っ…いつの間に??)

加奈

(何で…こんな所に……段々、私に近づいてる?)

いつの間にか、リビングに水子の霊の物体がーーー。 段々、私に近づいて来てーーーー。

陽詩は物体に近づいていないーーー。グラスに炭酸ジュースを注いだ後、冷蔵庫に戻していく

加奈

…ね、ねぇ陽詩…

陽詩

ん?なに?

加奈

あ、あのさ…なにかーーーー

私が言いかけた途端ーーーー。

シュっと…霊の物体が私の胎内に入り込んでしまったーーー。

加奈

えっ?

胎内に入った瞬間…体に異変が起きた… 何か…下腹部が異様に気持ち悪くなって…

陽詩

ねぇお姉ちゃん、今何を話し…お姉ちゃん?

陽詩が私の方を向く

陽詩

お姉ちゃん??どうしたの?顔色悪いよ?

加奈

…っ…な、なんでも…ないよ…ちょっと…気持ち悪くて……

気持ち悪い…今にも吐きそう…いや、吐きそうにも次に腹痛が起きる

陽詩

お姉ちゃん大丈夫?生理痛なら薬飲んで…

加奈

ああ…っ…

私はその場で倒れこんでしまうーーー。

陽詩

お姉ちゃん?お姉ちゃん!!

陽詩が駆け寄る、私の体を揺らして呼びかける

私は下腹部を抑えて、気を失ってしまう

陽詩

お姉ちゃん!お姉ちゃんってば!!
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