コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
新
奏
新
奏
新
新
奏
奏
新は俯き、無言になった。
奏は、黙り込んだ新を数秒見つめた後、扉の方へ歩き出した。
嫌々ながら納得してくれたのだと思った。
新
まだ、足掻くのだろうか?
奏
新
新
新
奏
新
奏
奏
奏
奏
新
交わした言葉は、互いの耳に届いたものの、二人の扉の閉まる音で、余韻は残らなかった。
奏
奏
奏は瞬時にしゃがみこみ、身体を小さくした。
奏
奏
奏
奏
声も、足音も、息も、最大限小さくし、自分の役目のため、進み始めた。
しかし、心臓だけは張り裂けそうなくらい激しく動き、音をたてていた。
その動きに反応するかのように、手が、足が、唇が、震えていた。
皆の前では強がっているが、一人になると人一倍怖がりになり、怖気づいて何も出来なくなる。
そんな自分を恨み、涙を目に飾った。
どれぐらい経ったのだろうか。
気が動転している奏には、数秒にも、数時間にも、数カ月にも感じられた。
そんなとき……
ファーミ
耳を劈くような雄叫びが廊下内に響き渡った。
奏は、心臓が止まり、死んだのかと思う程びっくりした。
奏
奏
奏
奏
奏
奏
奏
奏
奏
奏
奏
おかしい。気が動転している奏の目がおかしい?
作り物の星に囲まれた神秘的な廊下に…
赤。
赤。
奏
慎重に、慎重に、歩みを進める。
見つけた。
みつけた。
廊下に撒き散る赤色の中心には………
人の形をしていた"何か"だった。
さっき聞こえた雄叫び、足音、赤いマフラー、不思議な形の鍵……
飛び散った赤。
かたまる。
ふるえる。
あおざめる。
奏は、点と点が線になり……全てを悟った。
奏
この場所は、奏が出たメインホールの扉の反対側。
奏が最初に指差した扉の奥……
奏
全身の力が無くなっていく。地面に膝がつく。
目から、我慢していた全てが流れ出す。
奏
奏
震えながら、新の方へ手を伸ばす。
が、届かない。
足に力が入らず、近付くことが出来ない。
いや、この血溜まりに入りたくないからだろうか?
こんなときでも、親身に擦り寄れない自分に嫌気がさす。
再び、奏は泣きじゃくりながら手を伸ばした。届く訳もないのに。
そう思っていたのに、何かが手に触れた。視線をそちらに移す。
秀
奏
奏
秀
強引な力で新から奏を引き離す。
秀
奏
秀
奏
秀
秀
秀
秀
秀
奏
まるでゾンビのように、フラフラ歩きながらある場所に行き着いた。
時空の間だ。
扉を開け、飛び込むように中央の水晶を手に取り、抱きしめ、奏は床に倒れ込み……
光に包まれながら意識を失った。