2枚を交換に出して、 代わりにポチ君から2枚を受け取る

ニコニコしながら、 わざと声に出して言った

まぁ、流石に2回目は疑うよね

おお、かなり強気できたね

でも、それなら……

ニヤリと笑いながら、短くそう言う

途端に、周りがざわつきだした

相手も、かなり焦った顔をしてる

それもそのはず。 100枚って、この場合だと全賭け だし、この一回で勝負が決まるから

へぇ、これに乗ってくるんだ

もしかして、 良い手札が揃ってるのかな？

……どちらにしろ、面白くなってきた

ストレートフラッシュ…… ポーカーで2番目に強い役だ

周りも歓声をあげていて、 俺の負けを確信しているらしい

負けた雰囲気に則って、 俺は困った顔をする

そう相手が言いながら、 周りからも嘲笑われる

自分の手札を開示してから…… こう告げる

やっぱり、この快感は──

──いつまで経っても、ヤメられない

ニヤケを抑えられず、口角を上に吊り 上げて、今度は俺が相手を嗤った

一方の相手は、顔面蒼白になって、 顔を引き攣らせている

カバンを持って、賭場を出る

100万なんて大金、 すぐに払えるはずがない

つまりあいつは、 俺に100万借金してる

それに払えたとしても、 生徒会への上納金が減って、 いずれ家畜になるだろう

不意に後ろから声をかけられて、 その方を振り向いた

って、さっきディーラー やってくれた子じゃん

突然深々と頭を下げられて、 お礼を言われる

俺、感謝される様なことしたっけ？

心当たりがなくて、 思わずぽかんとしてしまう

やっぱり、思った通りか

別にそれは、 ただの偶然だったんだけどね

あの役が出たのも、 たまたま運が良かっただけだし

ニコッと笑って、そう言う

……あ、そうだ。せっかくだし……

そう言って、カバンの中から 札束を取り出して、半ば強引に渡す

そうじゃないとこの子、 受け取ってくれなさそうだし

ほら、やっぱりね

助けられなかったって 言ってたけど、家畜なら普通、 自分のことで手一杯なはず

なのに、人のことを優先して 考える様な謙虚な子だし

この子はもう、 家畜なんかじゃないから