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史記
水族館から出た瞬間、ぽつ、ぽつと冷たい雨粒が肩に落ちてきた。
あっという間に本降り。
史記
楓弥
楓弥が困った顔で空を見上げる。
髪の毛が少し濡れて、 首元に貼りついてる。
史記
そう言った俺の声が、 少しだけ震えた気がする。
楓弥
史記
笑ってごまかすけど、 心臓はずっと落ち着かない。
楓弥は少し考えてから、 静かにうなずいた。
楓弥
史記
楓弥
楓弥
史記
楓弥
……なに、無意識?この子
史記
楓弥
史記
湯船に浸かりながら、 俺は頭を冷やそうとするけど、
さっきの “ふみくんの匂い” って言葉が頭の中でリフレインする。
――俺、どうする? 今日、ふたりきりだよ?
舞い上がりそうになる気持ちを必死で抑えて、風呂を済ませる。
史記
楓弥
タオルを持って入っていく楓弥の背中。
ちょっとだけ、耳まで赤く見えたのは、気のせいじゃない気がした。