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#お友達探し
けいか🎼
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꒰ঌ甘咲ぬな໒꒱🍭
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三月の風は、まだどこか冬の残り香を孕んで冷たかった
けれど、校庭の隅にある桜の蕾はかすかに膨らみ、柔らかな春の気配を静かに告げている
放課後の屋上
フェンスの向こうに広がる空は、あの日俺らがびしょ濡れになって泣きじゃくった鉛色の雨雲なんて嘘みたいに
透き通った快晴だった
鉄扉を押し開けると、冷たい風が俺の前髪を乱暴に揺らす
桜井らん
桜井らん
東雲いるま
東雲いるま
俺の隣で、文句を言いながらも自分のマフラーを外して首元にぐるぐると巻き付けてくる、いるま
何気ないその優しさに胸の奥がキュンと甘く痛んで、俺はマフラーに顔をうずめた
桜井らん
桜井らん
東雲いるま
東雲いるま
耳たぶを真っ赤にしてそっぽを向くいるま
そんな俺たちの後ろから、騒がしい足音とともに仲間たちが駆け上がってきた
暇崎なつき
暇崎なつき
雨乃こさめ
雨乃こさめ
雨乃こさめ
白鳥すち
如月みこと
如月みこと
手に手を取って笑い合うこさめちゃんとなつ
並んで歩きながら、さりげなく指先を絡め合わせているすちとみことくん
……ああ、本当に良い6人になった
あんなにも傷つき、すれ違い、絶望の淵にいた俺たちが
今こうして同じ青空の下で笑い合えている
それが何よりも誇らしくて、愛おしかった
桜井らん
桜井らん
桜井らん
暇崎なつき
暇崎なつき
雨乃こさめ
雨乃こさめ
なつが器用に三脚をセットし、タイマーを設定する
俺たちはフェンスを背にして、ぎゅぎゅっと肩を寄せ合った
中央に俺といるま
その両脇をなつ、こさめちゃん、すっちー、みことくんが囲む
白鳥すち
白鳥すち
東雲いるま
東雲いるま
桜井らん
桜井らん
東雲いるま
東雲いるま
嫌がりながらも、俺の手を振り払おうとはしないいるま
手のひらから伝わってくる熱い体温が、俺の指先を、胸の奥を優しく満たしていく
暇崎なつき
暇崎なつき
全員
カシャッ!
電子音が響き、ファインダーの中に僕たちの最高の笑顔が切り取られた
写真を覗き込むと、そこには眩しすぎるくらいの青春が溢れていた
……だけど、写真の右端で、俺の腕に引かれながら少し照れたように笑ういるまの横顔を見た瞬間
俺の胸の奥で小さな寂しさが「ズキッ」と音を立てた
集合写真を何枚も撮ったあと、こさめたちは屋上のベンチに座ってお喋りを楽しんだ
でも、太陽がゆっくりと傾き始め、空が茜色と紫色の綺麗なグラデーションに染まり始めると
自然と会話のトーンが落ち着いていく
雨乃こさめ
こさめのぽつりとした呟きに、一瞬だけ場が静まり返った
なつくんがこさめの肩を抱き寄せ、すち先輩とみことくんも切なさの混じった笑顔を浮かべる
白鳥すち
白鳥すち
如月みこと
如月みこと
桜井らん
桜井らん
桜井らん
暇崎なつき
暇崎なつき
東雲いるま
東雲いるま
桜井らん
桜井らん
桜井らん
桜井らん
らん先輩の笑顔はどこまでも暖かくて、だけどどこか儚げだった
その隣にいるいるま先輩も、何かを堪えるように視線を落としている
……二人が抱えている『特別な想い』
命をかけて助け合い、絆を取り戻し、誰よりも近くにいるはずなのに……
まだ二人の間には、言葉にされていない「最後の一歩」が残されていることを、こさめたち全員が分かっていた
白鳥すち
白鳥すち
如月みこと
白鳥すち
暇崎なつき
暇崎なつき
暇崎なつき
東雲いるま
察したなつくんとすち先輩が、こさめとみことくんを促して階段へと向かう
扉を閉める間際、こさめは振り返ってふたりに小さく手を振った
雨乃こさめ
雨乃こさめ
パタン、と重い鉄扉が閉まり、屋上にはらん先輩といるま先輩のふたりだけが残された——
みんなの足音が静かに遠ざかり、屋上には風の音と、遠くで練習する運動部の声だけが響いていた
茜色の夕暮れが、俺とらんの影をコンクリートの上に長く引き伸ばしている
隣に立つらん
風に揺れる髪、夕陽を受けて琥珀色に輝く瞳
その美しい横顔を見つめていると、胸の奥が張り裂けそうなくらい締め付けられた
東雲いるま
もうすぐ、この学校での日々が終わる
並んで歩いた毎日も、放課後に二人で書類を片付けた時間も、全部「過去」になっていく
中学のあの雨の日からずっと、俺がらんを傷つけ、遠ざけて……
それでもあいつが俺の手を掴み返してくれたから、俺たちはここまで来られた
だけど……だからこそ、怖かった
俺たちはもう「幼馴染」なんて枠組みはとうに飛び越えている
お互いが誰よりも大切で、かけがえのない存在だってことは分かっている
……だけど、「好きだ」というその一言を口にしてしまったら
もしその一言で、この奇跡のように取り戻した関係が変わってしまったら……?
もし俺の欲望が、らんの未来の足枷になってしまったら……?
東雲いるま
桜井らん
ふり返ったらんが、首をかしげて優しく微笑む
その笑顔があまりにも綺麗で、眩しくて、俺は喉の奥がキュッと詰まるのを感じた
東雲いるま
東雲いるま
東雲いるま
桜井らん
桜井らん
桜井らん
東雲いるま
東雲いるま
口では意地悪を言いながら、俺はポケットの中で拳をギュッと握りしめた
本当は、そんなことが言いたいんじゃない
「一人で行かないで」「俺を置いていくな」「ずっと俺だけのものになって」
胸の底でドクドクとのたうち回る醜い独占欲が、吐き気を感じるほどに暴れていた
東雲いるま
東雲いるま
声を出そうと口を開く
だけど、言葉は喉の途中でつっかえて、どうしても音になってくれなかった
夕暮れの風が、俺たちの間を通り抜けていく
何かを言いたそうに口を開かけ、けれど苦しそうにそれを呑み込んだいるまの横顔
それを見て、俺の胸の奥もぎゅっと抉られるように痛んだ
桜井らん
俺だって、分かっている
いるまが何を恐れているのか
何を迷っているのか
中学のあの雨の日、俺のために自分を犠牲にしたいるま
いつだって自分よりも俺の幸せを優先して、自分の想いを殺してしまう……
俺の、不器用で優しすぎる幼馴染
桜井らん
桜井らん
「ただの幼馴染」なんて言葉で誤魔化せない
いるまが俺の隣で笑ってくれた日、俺の手をポケットの中で握りしめてくれた日
そのたびに、俺の心臓は叫び出したいほど高鳴っていた
『君が好きだ』と
『俺の特別な人になってほしい』と
けれど……あともう一歩が、踏み出せなかった
明日には卒業式の予行練習があり、数日後にはこの学校を去る
もし俺のこの溢れ出しそうな想いをぶつけて、いるまを困らせてしまったら?
せっかく取り戻したこの「特等席」を、俺の我儘で壊してしまったら……?
桜井らん
東雲いるま
桜井らん
桜井らん
桜井らん
東雲いるま
いるまが視線を下に落とす
その冷たくなった指先が、俺の手に触れるか触れないかの距離で震えていた
手を伸ばせば、すぐに触れられる
握りしめて「行かないで」「好きだよ」と言ってしまえばいいのに
俺たちは二人とも、臆病で、不器用で……
お互いを大切に思いすぎるがゆえに、言葉を呑み込んでしまった
桜井らん
桜井らん
東雲いるま
東雲いるま
夕闇が街を包み込んでいく中、俺たちは繋がれないままの手をポケットに突っ込み、並んで階段を下りていった
胸の中に、届かないはずの熱い想いと、切ない涙をいっぱいに溜め込んだまま——
旧校舎の階段の踊り場——
暇崎なつき
階段の上から響く足音を聞きながら、なつが壁に背をもたれかけ、深く息を吐き出した
雨乃こさめ
白鳥すち
白鳥すち
如月みこと
暇崎なつき
暇崎なつき
暇崎なつき
雨乃こさめ
雨乃こさめ
静まり返った校舎に、6人の足音が重なって響いていく
交わされなかった言葉と、抑えきれない恋心を乗せて、運命の卒業式へのカウントダウンが始まっていた——
コメント
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あやね🎼さん、第49話読みました〜!!😭💕 屋上の夕暮れ、綺麗なのに切なすぎて胸がぎゅってなった…!お互い好きなのに「言ったら関係が壊れるかも」って怖がって、言葉を飲み込んじゃう二人がもどかしくて愛おしいよ…!特にいるまの「醜い独占欲」って吐露、彼の必死な想いがひしひし伝わってきて泣ける…( ; ; ) なつたち後輩がちゃんと二人の時間を作ってあげるシーン、仲間の優しさが沁みた…!卒業式でどうなるのか、ドキドキしながら続き待ってますっ🌸