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志賀先生

こいつは傑作だな。

志賀先生

いやいや下手くそ。
少し考えれば、こうなることくらい分かるだろうに。

志賀先生

お前達はどれだけ馬鹿なんだ?

担任はそう言うと、黒板に新たな名前を付け足した。

【レイ 1票】

志賀先生

6票目はレイだ。

開票の結果

イチカ4票

レイ1票

ゴミ1票

志賀先生

結果、2番目に票を集めたのはレイとゴミ。

志賀先生

同率2位で、2人ともあの世行きだ。

志賀先生

明らかに結託されて、自分が殺される状況なのに、わざわざゴミが自分に票を入れると思うか?

志賀先生

お前達のことだから、脅すなりなんなりしたんだろうけど、命がかかってるからな。

志賀先生

となれば、誰かを道連れにしようと考えるのは明白。

志賀先生

仮にイチカに票が集中することを知らなくても、当てずっぽうでも高確率で誰かを道連れにできる。

志賀先生

いやぁ、最後の最後でゴミが復讐できてよかったよ。

担任が視線をやると、レイが勢い良く立ち上がる。

レイ

てめぇ!
ふざけんじゃねぇぞ!

ゴミの胸ぐらを掴むレイ。 ゴミは人形のように無抵抗だった。

ゴミ

これだけ辛い思いをしたんだ。
私はきっと天国に行けると思う。

ゴミ

でも、あんたは地獄行き。

ゴミ

あー、いい気味。

ゴミ

地獄に落ちろよ!

ゴミはそう言うと、残りのナンバーズのことを睨みつけた。

ゴミ

あんたらも一緒。

ゴミ

今はとりあえず生きながらえたかもしれないけど、遅かれ早かれ死ぬよ。

ゴミ

みんな地獄に落ちればいい。

志賀先生

あー、話の腰を折って悪いけど、お前達が行くのはとりあえず隣の教室な。

志賀先生

その先のことは任せるけどさ。

担任が目配せをすると、フルフェイスヘルメットが銃口を2人に突きつける。

フルフェイスB

さっさと歩け。

レイ

嫌……。
まだ私、死にたくない!

逃げ出そうとしたレイの腕を掴んだのはゴミだった。

ゴミ

逃げんなよ。
びびってんの?

涙目のレイに追い討ちをかけるかのごとく、担任までもが銃口を向けた。

志賀先生

レイ、みんなの前で脳みそぶちまけて死にたいか?

志賀先生

無様な最期を見せるくらいなら、せめてみんなには見られないようにしたほうがいいんじゃないか?

レイ

嫌だよ……。
死にたくないよ。

ゴミ

人を死に追いやろうとしてた人間が、いざ自分の番になったら泣き言かよ。

ゴミ

だっさ。

どうせ死ぬなら――とゴミは開き直っているみたいだった。

レイはなにか言い返したそうだったけど、うなだれるように肩を落とした。

フルフェイスB

さぁ、来い!

フルフェイスBがレイを抱えるようにして教室の外へ。

それにゴミも続いた。

すぐに隣の教室の扉が開く音がして、閉まった音と同時に銃声。

一発。

そして、もう一発。

どちらかの断末魔らしき悲鳴が聞こえたような気がした。

その後、静まり返る教室。

ツヨシ

おい、そんなに不安がるなよ!

重苦しい空気の中、ツヨシが立ち上がる。

ツヨシ

この投票には誰も死なない方法がある!

ツヨシ

それをこれから証明してやるからよ、落ち込むんじゃねぇよ!

志賀先生

へぇ、そんな方法があるのか。

志賀先生

だったら、次の開票はツヨシ達の班で決まりだな。

ツヨシ

望むところだ。
なんでもかんでも、お前の好きにはさせねぇよ。

次々と死にゆくクラスメイト達。

絶望に打ちひしがれる一同に示される、死なずに済む方法とは。

ツヨシ達の班の開票が始まった。

3年D組のクーデター

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