セイヤ
ヨウタ
アカリ
マドカ
ハカセ
実にアンバランスなカップルではあるな。
マドカ
ヨウタ
ツヨシの班には、彼の彼女であるナギがいる。
トイレで話した時も、ナギのほうがなにかを提案してくれたと言っていたが――。
志賀先生
いいな?
ツヨシ
なんでもお前の思い通りになると思ったら大間違いだ。
担任は少しばかり笑みを浮かべると、開票を始めた。
志賀先生
黒板にツヨシの名前が書かれ、名前の下に【正】の字が構築される。
志賀先生
志賀先生
ハカセ
マドカ
ハカセ
ツヨシ自身も含めてね。
セイヤ
アカリ
セイヤ
セイヤ
マドカ
マドカ
セイヤ
マドカ
志賀先生
ここまではナンバーズと同じ展開だなぁ。
そう言ってナンバーズ達の席に視線をやる担任。本人達は脱力したかのようにうなだれていた。
志賀先生
5票目――ツヨシ。
ツヨシの名前の下に、とうとう【正】の字が完成する。
ヨウタ
マドカ
マドカ
ハカセ
ハカセ
セイヤ
最後の1票。
それを開票した時、担任がかすかに笑ったような気がした。
志賀先生
志賀先生
特にお前達くらいの年齢は、
色々と不安定だ。
志賀先生
静まり返った教室に、チョークが黒板を走る音だけが響いた。
【ナギ 1票】
ツヨシ
志賀先生
志賀先生
せっかく彼女と同じ班にしてやったのに、真っ先に彼女が死ぬなんて。
ナギ
ツヨシ
ツヨシ
いきなり立ち上がると、班のメンバーに対して怒鳴るツヨシ。
カナ
カナ
ツヨシをなだめようとしているのは、クラスでは大人しめのカナだった。
マドカ
マドカ
マドカ
ヨウタ
ヨウタ
マドカ
マドカ
志賀先生
担任の言葉に合わせて、フルフェイスAのほうがツヨシの班のほうへ向かう。
フルフェイスA
ヨウタ
ヨウタ
フルフェイスBは、ナンバーズと共に教室を出たまま、まだ戻っていない。
これでフルフェイスAも教室の外に出てくれれば、担任だけになる。
反撃のチャンスだ。
そんな考えが頭をよぎるが、しかしタイミング悪くフルフェイスBが教室へと戻ってきた。
アカリ
抜かりなしって感じ。
フルフェイスAに促されても、ナギは中々立ち上がろうとしない。
フルフェイスA
フルフェイスA
ツヨシ
俺が代わる!
ツヨシ
ナギを連れて行くのはやめてくれよ!
フルフェイスAの前に立ちはだかるように、ツヨシが割って入る。
ツヨシ
俺が代わるんだからナギは助けてやってくれよ!
担任のほうへと訴えかけるツヨシ。
すると、担任はまばらな拍手を始めた。
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
ツヨシ
誰が感謝なんてするか!
志賀先生
まぁいいや。連れてって。
フルフェイスAがナギを羽交締めにすると、そのまま教室の外へと向かう。
戻ってきたばかりのフルフェイスBも手伝わねばならないほど、ナギは抵抗をしていた。
ナギ
ねぇ、ツヨシ。
助けてよ!
ツヨシ
ナギに駆け寄ろうとするツヨシに向けて、フルフェイスBが銃口を向けた。
ナギ
ツヨシーー!
ツヨシに助けを求めながら、ナギは教室の外へと連れ出されて行った。
教室の外に出ても、ナギはツヨシの名前を叫び続けていた。
しかし、無情にも一発。
それと同時に助けを求める声も途絶えた。
ツヨシ
てめぇぇぇぇぇぇ!
セイヤ
ヨウタ、ハカセ。
ツヨシを止めるぞ!
担任に向かって殴りかかろうとするツヨシ。
担任ならば、迷うことなく引き金を引く。
そう考えたセイヤは立ち上がり、声に応じてくれたヨウタとハカセの2人と共に、ツヨシの前でスクラムを組む。
セイヤ
命を無駄にするだけだぞ!
ヨウタ
な、一旦落ち着こう!
ハカセ
でも、君にはナギの仇を討つ使命があるんじゃないのか?
だったら、生きるべきだ。
生きろ!
猟銃を構えた担任に向かって飛びかかるなんて、命を捨てるも同然だった。
ツヨシ
くそぉぉぉぉぉぉっ!
ツヨシはその場で泣き崩れ、そこにカナが声をかける。
志賀先生
志賀先生
志賀先生
志賀先生
淡々とした口調でありながら、銃口はしっかりとセイヤ達のほうに向けてくる担任。
セイヤ達は席に戻る。
志賀先生
感情の整理がつかない中、とうとうセイヤ達の班の開票が始まる。