りさ
私は痛みに耐えながら ころんくんに右手を伸ばし、 そして頬に触れた その手を、ころんくんは 自分の左手で優しく包み込む。 ......いつからだろう。 ころんくんにこんな気持ちを 抱いていたのは。 数ヵ月前? ううん。 本当はもっと、ずっと前からで、 私はそれに気づいてないフリをしてたのかも。 瞳に写るころんくんは、一言も喋らず、 ただただ私の言葉の続きを待っている。 そんなころんくんに、 私は言った。 ずっと認めたくなくて、 でもずっと言いたかったこと。 。
りさ
ころんくんは 一瞬不意を突かれたような顔をし、 でも、また少し、微笑んだ。 そして私の頬に手を置き、 顔を近づけて、 ......そっと唇を重ねた。 とても甘くて、幸せな瞬間だった。
ころん
そう言ってころんくんは、 おでこをこつんっと合わせてくる。
りさ
本当に幸せで、 もうこれ以上にないくらい幸せで。 私たちは他に誰もいない病室で、 2度、3度と、唇を重ねた。
ころん
6年間、数えきれないくらい言われた言葉。 数えきれないくらいNOと言ってきた。 でも、今日は違う。 私は、とびきりの笑顔をころんくんに向け、 口を開いた。
りさ
コメント
2件
人の涙腺を崩壊させる神か何かか
やばい。泣きました感動すぎたです;;