テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テヘル

彼は静かに、ただそのときを待っていた

隣ですうすうと寝息を立てて眠っている男をほとんどシーツで覆って、窓の外を見ていた

テヘル

(血は昨日摂取した)

テヘル

(能力は、ばっちり。)

メラ

うわぁっ!?

ミュール

…はい、私の勝ちです

メラ

もーーーーっ!昨日は勝ったのに!

ミュール

試行錯誤しました

アメリア

(よかった、みんなレベルが上がってきてるな)

アメリア

(元々鍛えるべきやつらがこちらにいるからというのもあるけどな)

アメリア

(テヘルはまだ方針が難しいところもあるが)

アメリア

(サミュエルはなにせ戦うことより勝つことに長けているし)

アメリア

(…いや、違うな)

アメリア

(とにかくアイツは、"負けない"男だ。)

テヘル

あー…あー、あー

テヘル

うん、問題ないね

時間を確認し、情報屋に連絡をした

『5分後、連絡がなかったらアメリアに伝えて。』

テヘル

(…でもやっぱ、彼と一緒に行かせなくてよかったかな)

テヘル

(…最初は、"アイザックくんとテヘルくん"にしようとしたけど…)

テヘル

(…この子、少しだけだけど目元が赤くて…隈ができてた)

テヘル

(だから"俺と一緒"にしたんだけど…。)

"サミュエル"はふふ、と笑う

サミュエル

(能力値的にも、吸血鬼の俺の方がこういうのは向いてたかも)

サミュエル

(まあ"この姿"じゃほとんど使えないんだけど)

テヘル

…ん

サミュエルはテヘルの赤いリボンをしゅるりと解き、自身にくくりつけた

サミュエル

…やっぱ起こすのは申し訳ないし、限界まで俺がやるよ

意識がないテヘルにそう言いながら、サミュエルはまた笑う

サミュエル

だからもーちょっと、隠れててね

サミュエル

…俺が完璧に、テヘルくんになってみせるから。

『…血を飲むって…飲まれて終わりじゃ、ないんだよ』

サミュエル

懐かしいなぁ

サミュエル

今となっては…そうしてよかったのかもね

そのとき、ガタンと窓が大きく2度揺れる

そして窓が外れると同時に、扉の方もカチャンと開く

サミュエル

(…鍵、アイスピックか何かで開けたのか)

サミュエル

(ドアの準備が出来次第窓は壊す、なるほどね)

サミュエル

誰だお前ら

 

さあ?ニコ・テヘルくんだね?

サミュエル

…それがなんだよ

 

よし。…お前は今、ここで殺す。

サミュエル

(キた)

サミュエル

(…ちょっと息苦しいかもだけど、我慢してね)

サミュエルは本物のテヘルをシーツで完全に覆うと、ぴょんとベッドから飛び降りた

サミュエル

人数は?

 

関係ない

サミュエル

あーそ

サミュエル

(俺より動きにくいかと思ったけどそんなことないな)

サミュエル

(むしろ身体がなんだか軽い)

サミュエル

(ただこの姿だとダメージをふつうに喰らっちゃうから…)

サミュエル

早めに、片付けようぜ

サミュエル

テメーら…真打ちじゃねぇんだろ?

 

ふっ、よく分かったな

 

分かったところでお前は死ぬだけだが…なっ!

サミュエル

あァ?死なねーよ

サミュエル

全員のしてやる

サミュエル

(テヘルくんならこういうとき、なんて言うだろう)

サミュエル

(俺は口調を真似ることしかできないけど…バレはしないだろう)

サミュエルはテヘルの短剣を手に取り、ブンと投げた

 

うわっ!?い、いってえ!

 

コイツ、殺しはしないんじゃなかったのか!?

サミュエル

サミュエル

(なんで…コイツそれなりにテヘルくんを知ってるのか?)

サミュエル

関係ねえ!

 

おい、応援よべ!少しでもいいから!

 

うっせもう来るよ!だからそれまではお前も動け!

サミュエル

(まとまってない…やっぱりコイツらは所詮ただの駒)

サミュエル

(けど俺、そんなに純粋な戦闘力はない)

サミュエル

っと!危ねえなぁ!

サミュエル

(だから)

サミュエル

(ゆったりでも頭使ってけば───!)

 

新入り、よくやった、ミッションはこれで成功だ

サミュエル

 

!よっしゃ!これで借金も…!

 

ああ、2人ともよくやってくれた…でも

 

このニコ・テヘルさえ殺せば…報酬は何倍にもなるぞ?

 

サミュエル

…はぁ…?

サミュエルは内心、冷や汗をかく

サミュエル

(おかしい…なんでこんなに狙われてる?)

サミュエル

(それに…足音が数人分聞こえる、敵はまだ、増える。)

サミュエル

(しかもコイツらで新入り。…ならそこそこ強いな…)

サミュエル

(ダメだ、無理だ。この姿のままじゃ…でも───!)

テヘル

…んあ……?

サミュエル

その声を聞き、サミュエルを含めその場の4人は驚いたようにそちらを見つめた

 

は、はぁ───!?2人!?

テヘル

おおお…俺が2人いる!?

 

なんでお前がびっくりしてんだ!?

 

どういうことだよ!?

テヘル

だ…誰だお前!つかサミュエルは…!?

サミュエル

あちゃー…ダメだったか

テヘル

…?、?

テヘル

へ…つーかなんで俺のヘアゴム

サミュエル

ごめんて、返すよ

サミュエル

テヘルくん安心して、説明は後でするから

テヘル

…?

サミュエル

ま、もう俺が偽物なのはみんな分かってるだろうから…姿は戻すよ

サミュエル

テヘルくん

サミュエル

俺が、サミュエルだよ。

銃口の先のエンディング

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

380

コメント

3

ユーザー

まじびっくりした!!!テヘルくんが"血を摂取した"なんておかしいな、って思ったらまさかのサミュエルくん!!!ってゆーか、テヘルくんと作戦会議的なことしなかったんかい!!!(( え、新入りであの強さはえぐくね!?しかも更に人を呼ぶとかやばすぎでしょ!?"駒"の割に良い人材を選んだんだね……😖😖 目を覚ましたら自分と敵らしき人物がいてサミュエルくんがいなかったらそりゃびっくりするよね……💦

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚