前回までのあらすじ
ファーデンという町の精霊の子、メリエンはたった8歳で母に言われ、リーファーという街に移り住む。
母親は、その時に自らを噛んで失血死させた吸血鬼「ヴァロ」に取り憑く。
そして、女祈祷師「りん」から彼女を救った。
無駄に感謝されたヴァロは、メリエンの母親から脅され、メリエンの面倒を見る羽目に。
メリエンとヴァロは、「リーファーの薬草師」になるために共に動き出す!
ヴァロ
メリエン
ヴァロさんは、アタシのためにのぼりを作ってくれたの。
「メリエンの薬屋」って書いてあって 宣伝に使えそう。
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロさんのことはヴァロさんって呼びたいのに。
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
なんか恥ずかしい。
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
見上げると、いつも通りに氷のように冷たいヴァロさんの顔がある。
目は澄んだ青色なのに、その奥底が見えない。
きっと深い深い湖面の奥には闇が広がっているのだろう。
きりっとした目に、人より少しばかり高い、整った鼻。そして、少女のそれのように遠慮がちな小さい口は、いつもぎゅっと結んでいる。
この人形のように美しい人が、いつもアタシの隣にいるの。
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロさんは吸血鬼なので生き物を見ると血を吸いたくなるの。
お気に入りは人間の血なんだって。 わあ恐ろし。
しかもこのドS吸血鬼、噛み付いたときに痛がる人間の顔が大好物ときている。
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
女勇者
ヴァロ
女勇者
この人も旅に出るのね。アタシも最近旅に出て、ここにたどり着いたの。
ヴァロ
接客時のヴァロさんは、いつもと見違えるほど優しかった。
ヴァロ
親切なことを言いながらただ買わせようとしてるだけな気がする……
女勇者
ヴァロ
女勇者
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさんめ。最低!アタシには冷たいくせに!
ヴァロ
女勇者
ヴァロ
女勇者
ヴァロ
女勇者
ヴァロ
ヴァロ
絶対この人そんなこと思ってない。
女勇者
ヴァロ
ヴァロ
女勇者
ヴァロ
メリエン
女勇者
メリエン
女勇者
女勇者
メリエン
メリエン
女勇者
メリエン
女勇者
メリエン
女勇者
メリエン
メリエン
女勇者
メリエン
女勇者
メリエン
女勇者
メリエン
メリエン
女勇者
女勇者
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
女勇者
女勇者は剣を取り出した。
メリエン
女勇者
メリエン
意味がわからないの。
街の真ん中で突如女が剣を抜いた。
目が痛くなるほど磨き上げられた鋭いヤイバは、アタシを睨んでいる。
メリエン
街の真ん中で女が少女を睨んでいる。それなのに、それなのに誰も助けずに見て見ぬふり。ここは勇者の街なんかじゃないわ。
通りすがりの男
通りすがりの男
通りすがりの男
メリエン
女は刃を振り上げたの。
そのギラギラとした光が天井から切り付けてきそうになった矢先!
誰かが助けに来ることを一瞬期待したが、誰も周りにはいない。
恐怖のせいか硬直した足を無理矢理に動かして斬撃を避けるも、手をかるく刃がなでた。
その途端冷たい感触と温かい感触が混じり合ったの。
それと同時にひどい痛みを感じたわ。女勇者はもう一度刃を振り上げた。
今度こそやる気なのね。
メリエン
覚えたての呪文。
炎が舞い上がる。
その炎は刃もろとも女勇者を呑もうとする。
女勇者
女勇者
女勇者はその炎をふわりと軽やかに避けるともう一度刃をかまえた。
炎は、春の夢のように儚く消えたの。
メリエン
その呪文を唱えた途端、アタシは脱力したの。
これが「MP切れ」かしら。
女勇者
殺される、殺される!
空を見上げれば、空を飛んでこちらへ向かっているヴァロさんが見える。
こちらの様子には気づいていない。それに、かなり遠くの方にいるのでスピードを上げてもこっちには来れない。
もう無理かと思った矢先!
ふわりと軽やかに、誰かが着地し、女勇者を斬った……
りん
メリエン
りんちゃんは、アタシのことを陥れようとした女祈祷師。
でもね、ヴァロさんに噛み付かれて 死んだはずだったんだ。
メリエン
りん
りん
メリエン
りん
メリエン
りん
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
さすがヴァロさん。あの勇者がやったことを察してくれたんだね。
ヴァロ
ヴァロ
りん
りん
あ、ヴァロさん、違うの。
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
りん
ヴァロ
りん
ヴァロ
ヴァロ
りん
ヴァロ
りん
ヴァロ
りん
りん
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさんはりんちゃんにそう言うとすぐにこちらに向き直って言ったの。
ヴァロ
メリエン
勇者
勇者
勇者
あっという間に薬は完売した。
ヴァロさんと一緒にたくさん作ってきたんだけど、こんなに売れ行きが好調だなんて思わなかった!
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさんはそろばん片手に大疾走!
アタシも、のぼりと薬をもって東奔西走!
大忙しだったけど、結構儲かった!
ヴァロ
ヴァロ
市場で、アタシが大好きなサンドウィッチの材料も買ってもらったの!明日の朝ごはんはサンドウィッチ!
すっごく楽しみ!
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
今日の晩餐は、食堂で食べたの。
メリエン
ヴァロ
やっぱりヴァロさんはいつも通り。
でもなんだか寂しそうなの。
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロさんと家で一緒にいるのは珍しいし、なんか質問してみたいな。
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさんは食堂を出た。
一人の夜の食堂は、恐ろしいほどに静かだったの。
晩餐を食べ終えると、食堂を出た。
ヴァロ
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
ヴァロ
ヴァロ
呪縛
呪縛
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
ヴァロ
ヴァロ
呪縛
呪縛
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
呪縛
ヴァロ
呪縛
呪縛
ヴァロ