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メリエン
メリエン
今日は朝ご飯のサンドウィッチを楽しみにしすぎたせいで無駄に早起きしてしまった。
メリエン
メリエン
ヴァロさんが、踊っている。
メリエン
ヴァロ
その時突然ヴァロさんが横転したの。
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさん意外とカッコつけなのね。
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
今日のヴァロさんは、いつもよりもしどろもどろで落ち着かない。
転んだのがよっぽど恥ずかしかったんだろうね。
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロさんは、ファーデン(アタシの故郷)にいた人よりも踊るのがすごく上手いの。
吸血鬼の姿に似合うほどに。
メリエン
ヴァロ
午前3時の古の館の広間に、ステップを踏む音がこだまする。
社交パーティーにどれくらい参加してたんだろってくらい、当たり前に美しくその人は踊ったわ。
なんだか、映画の中に入った気分になれたの!
ヴァロさんにお願いして、キッチンに来たの。
ヴァロ
確かに、紫色のもやがあたりを覆っているような気分なの。
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさんキッチン掃除してる?
メリエン
アタシが冷蔵庫に手をかけた途端!
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロさんは普段はこんな風に激したりしないの。
今日、どうしちゃったんだろ。
食堂で、サンドウィッチを食べたの。 美味しかった。
でもやっぱり、ママの作ったサンドウィッチと味が違うな……
ヴァロ
いや、でも最初にここに来た時は、ママの味に似てる、もっとおいしいサンドウィッチだった。
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
この前、ママを治すためにどんな病でも治すという薬草をいつもの森で採ったの。
でもそのせいで、さっき行ってみたらあの場所の「バランス」が崩れちゃって、薬草が採れなくなってたの。
だから、もっと遠くの森で薬草を採集してきたの。
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
空き瓶の中に薬草をつめて薬を作って売る商売をしているの。
空き瓶は木でできた箱の中に入れておいて、これとのぼりをもって歩くの。
そして、箱の中に入っている薬を売るんだ。
これが意外と高評なんだよね。他にこの街に薬師はいないのもあって。
長い間重いものを持っているせいで、 この前痛めた右手がひりひり痛んできた。
心なしか、傷が開いてきたような気すらする。
りん
りんちゃんは、女祈祷師で、一回アタシのこと裏切ったの。
でも、罪悪感があったらしくてたまに助けてくれるの。
ヴァロ
りん
メリエン
メリエン
りん
メリエン
ヴァロ
りん
りん
メリエン
りん
りん
ヴァロ
りん
ヴァロさんはアタシに薬を手渡した。
傷口に塗ると、すぐにそれが塞がって痛みも無くなった。
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
やっぱり、今日のヴァロさんはおかしいの。
本当は話したいんだろうけど、話したらダメなことをわかっている……
そんな雰囲気があったの。
ずっと、同じような日々が続いた。
薬の売れ行きこそ好調だったが、もう体力的にも精神的にもおかしくなりそう。
大人が、毎日に疲れてしまう気持ちが すごく分かったの。
多分あれから一ヶ月くらい経ったかしら。
ヴァロ
ヴァロさんは、アタシの心を読むようなことを言った。
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
初めて、ヴァロさんが弱みを吐いた瞬間だった。
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
そこにいたのは人間ではない。
そこにいたのは、血に飢えた牙を丸出しにし、生に狂った化け物だった。