TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

盲目の少女は極限化する

一覧ページ

「盲目の少女は極限化する」のメインビジュアル

盲目の少女は極限化する

16 - 盲目の少女は極限化する 〜ヒーローになれなかった少年〜【後編】

♥

101

2021年06月24日

シェアするシェアする
報告する

キシャール

………。

ココ

元気だしなよ。

ココ

あなたはあの子の命の恩人。

ココ

だから…。

キシャール

だからなんだよ。

キシャール

俺がライトに突進しなければあの子は盲目になることはなかった!!!

ココ

でも命はあるでしょう!?

キシャール

…あの子はもうピアノを弾けない…。

ココ

そうとは限らないでしょ!

キシャール

でも…。

キシャール

でもあの子の人生に大きな負担がかかってしまうだろ!

ココ

………。

ココ

(あんなにヤンチャだったのに…優しくなったなぁ…。)

キシャール

俺のせいであの子は…。

ココ

…家に戻りましょう。

ココ

プレビシオン様に報告もしなければならないし。

キシャール

…あぁ…。

プレビシオン

…なるほどね。

プレビシオン

わかった。

プレビシオン

上に報告しておくよ。

キシャール

はい…。

プレビシオン

すまないが…

プレビシオン

落ち込んでる暇はあまりなさそうだ。

ココ

どうしてです?

プレビシオン

あの建物から黒いマントのやつが出てきたらしい。

プレビシオン

後あの事件の詳細はある程度こちらでまとめた。

キシャール

わかり…ました。

キシャール

やらかしたやらかしたやらかした…。

キシャール

俺がライトに突進しなければ…。

キシャール

そもそも俺がその場にいなければ…。

ココ

…そしたら皇ちゃん死んでたでしょう。

キシャール

目が見えなくなって人生に絶望して自殺したりしたら結局意味ないじゃん!

キシャール

あの時死んだ方がマシだったかもしれない…。

ココ

そんなことは…。

キシャール

しかもあの事件は皇って子のライバルのお嬢様が殺し屋に殺しを頼んだんだろ?

キシャール

あの子は人に恨まれていたって言う恐怖も背負ってるんだ…。

ココ

そうなの?

キシャール

あぁ。

キシャール

何度もコンクールで優勝して、恨みを買ってたらしい。

ココ

嫌われ者だったのね。

キシャール

特にそのライバルのお嬢様は親に優勝しろとずっと言われていたのに急に出てきた皇に何度も負かされていたんだと。

キシャール

それが何度も続いて、親に邪魔者扱いされてたらしいんだ。

ココ

…その子も辛かったのね。

キシャール

周りの子に嫌われていた事実を知れば誰が味方かわからないしな。

ココ

…それは…病むかもしれないね。

キシャール

俺はどうすれば正解だったんだ…。

ココ

………。

ココ

じゃあさ。

ココ

あの子を極限化させて…。

キシャール

それはダメだ!

ココ

………。

ココ

あの子の目が最高の形ならまだ…。

キシャール

あの子の近くに行った時に見たけど…。

キシャール

最高の形ではあったけど、それは耳だった。

ココ

じゃあ耳を極限化すれば…。

キシャール

元人間の極限者は望んでるやつじゃないと結局弱って死ぬじゃねえか…。

ココ

…そうね。

キシャール

暇だな。

ココ

そういえば一週間前からあの子を見ないわね。

キシャール

あの子?

キシャール

樹か。

ココ

えぇ。

ココ

何かあったのかしらね。

キシャール

まあ心配だな…。

キシャール

はぁ…。

キシャール

俺は…。

ココ

(…しんどいのはわかるけど…いつまでもこうだとね…。)

キシャールにいちゃん!

キシャール

…久しぶりだな。坊主。

今日ね!今日ね!

ある子を連れてきたんだ!

キシャール

ある子…?

連れてくるね!

キシャール

友達かなんかかな。

…樹君?

ここは…?

ここはね!おばあちゃんに教えてもらった秘密の場所なんだ!

キシャールにいちゃんて人が困った時に助けてくれたりするんだよ!

キシャール

え。

キシャール

まさか…。

キシャール

皇…雷?

何で私のことを…?

キシャール

…いや…それは…。

キシャールにいちゃん…雷ちゃんはね、目が見えないんだって。

それで好きだったピアノができなくなってて困ってるんだ…。

何とかできない!?

…樹君…無理だよこんなお願い…。

あぁ神様。

キシャール

いいぜ。

俺は…

キシャール

今から方法を言うからちゃんと聞いてくれ。

何でもいいです…もう一度…ピアノが弾けるなら。

この子の偽りのヒーローに なっていいんですか。

キシャール

はっ…!

ココ

キシャール?大丈夫?

ココ

うなされてたけど。

キシャール

ちょっと…な。

ココ

…またあの時の夢見てたのね。

キシャール

…あぁ。

ココ

…忘れられないのね。

キシャール

忘れちゃいけないよ。

俺は偽りのヒーローのまま

雷を支えて、守るんだ。

盲目の少女は極限化する

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

101

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚