コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
このままでは母親の死体が見つかってしまう。
襖の隙間から外を凝視するアキノリは、覚悟を決めて目を強く閉じた。
アキノリのクラスメイト達
アキノリのクラスメイト達
アキノリのクラスメイト達
アキノリのクラスメイト達
それぞれ口々に言いながら、勝手口のほうに集まるクラスメイト。
アキノリのクラスメイト達
アキノリのクラスメイト達
アキノリのクラスメイト達
勝手口にも鍵がかかっていたことで、とうとう諦めてしまったらしい。
先生に頼まれた仕事を放棄して、ぞろぞろとアキノリの家から離れて行った。
アキノリ
アキノリはその場に座り込むと、安心して大きくため息をついた。
アキノリ
改めて口にしてぞっとする。
たまたま蓋が開かなかったみたいだが、井戸が外にある以上、同じような危機が訪れることがあるのではないか。
そう考え出したら不安になった。
――どれくらい時間が経っただろうか。
玄関の方からの物音に、思わず固まってしまうアキノリ。
シンジ
いつもと同じように振る舞っているつもりなのか、しかし兄はいつもより大きな声でただいまと言ったような気がした。
アキノリ
ずっと1人で心細い思いをしていたアキノリからすれば、兄の声ほど頼もしいものはなかった。
玄関に駆けて行くと、学校から帰ってきた兄と再会する。
ほんの数時間ぶりではあるが、随分と久しぶりのように思えた。
シンジ
アキノリ
アキノリは先ほど起きたことを兄に話す。
クラスメイトがプリントを持ってきたこと。
その際、井戸のほうに近づいて、蓋を開けようとしたこと。
シンジ
アキノリの報告を聞くと、シンジは満足そうに頷いた。
アキノリ
シンジ
シンジ
どうやら、シンジは井戸の蓋を開けられる状況を見越して、先に手を打っていたらしい。
そのおかげで、死体が発見されるという事態は回避することができた。
アキノリ
ただ、漠然とした不安はあった。
今はまだ隠しおおせているが、いつまでこれが続くのか。
いつまでビクビクしながら生活しなければならないのか。
シンジ
シンジ
シンジ
アキノリ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジはそう言うが、しかし殺人は殺人だった。
アキノリ
直近の大きな問題は、アキノリの学生服だった。
しばらく学校に行かないとなれば、さすがに担任も不審に思い始める。
悪意のもと動いたりはしないだろうが、家庭訪問のひとつくらいはするかもしれない。
さすがにアキノリの家庭の事情を、全く知らないということもないだろうし。
シンジ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジ
シンジが言ったその時のことだった。
玄関から引き戸を無理矢理開けようとする音が響く。
シンジが鍵をかけただろうし、開かないはずだが。
シンジ
シンジはそう言うと、家の鍵をテーブルの上に右手で放り投げた。
シンジ
男の声
男の声
シンジ
シンジ
シンジは声に心当たりがあったようで、ぽつりと漏らすと玄関のほうへと駆けて行った。
アキノリ
シンジに話を聞こうにも、もう彼は玄関に向かってしまった。
なにかを知っている様子のシンジ。
そして、まるでシンジの帰りを待っていたかのごとく訪ねてきた駐在。
アキノリはただ、玄関から離れた場所で、シンジと駐在のやり取りを見守ることしかできなかった。