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逃げられない檻

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逃げられない檻

16 - EpisodeⅦ 待ち望まぬ救い

♥

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2025年08月24日

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  そこにいたのは、先日相手をした客だった。  

  足が自然と後ずさる。  

魅音

(この前の怖い客……)

〇〇

そんな怖がんなよ

〇〇

送ってやるから、乗れよ

魅音

……いいです

魅音

歩いて帰ります

  そう言って背を向けようとした瞬間、 腕をがっちりと掴まれた。  

〇〇

断る権利あんの、お前?

魅音

やっ、離してください……!

  必死に振りほどこうとするが、 男の力は強く、爪が食い込むほどに握られる。  

魅音

いた…ぃ…

  小さな悲鳴と同時に、背中を押され、 ドアが開けられた車内へと押し込まれる。  

魅音

助けて──ッ!

  バンッ(ドア  

  カチャッ‼︎  

  ロックの音が、やけに重く響いた。  

 

 

  ベッドの上  

  ぐちゃぐちゃになったシーツに押さえつけられたまま、 魅音は必死に声を押し殺していた。  

  乱暴に触れられるたび、浅い吐息と嗚咽がもれる。  

〇〇

ほら、欲しいんだろ?

魅音

…いらないッ……いらない、からっ……

  泣きながら必死に訴えている。  

〇〇

……ふっ、いい顔してんな

〇〇

嫌がる顔のほうが……そそるんだよ

  客は低く笑い、顎を無理やり掴み上げる。  

〇〇

やめろって言うくせに……こんなに震えて、たまんねぇ

魅音

……や、……やめ……っ

〇〇

金払ってんだからいいじゃん

〇〇

……逃げんなよ?

  吐き捨てるような声に、魅音は涙を溢れさせた。  

魅音

……や……ぁ……

  声はかすれ、涙がこぼれる。 その時——  

ガチャ…

 

〇〇

……あ?

〇〇

……誰だ……?

  振り向いた客の顔には、困惑の色が見えた。  

 

……久しぶりだな

魅音

……兄…ちゃ、、ん……

  そこに立っていたのは憂唯だった。  

〇〇

は?兄ちゃん?

魅音

(…なんでッ……)

  無言のまま一歩、二歩と近づく。  

憂唯

……魅音から離れろ

  低く落ちる声。 抑えつけられた感情の底から、鋭い刃が覗く。  

〇〇

なんだ……弟を助けに来たのか?

〇〇

兄貴かなんか知らねぇけど、こっちはッ……

憂唯

喋るな

  その声は、氷のように冷たかった。  

  憂唯の視線が突き刺さる。  

憂唯

今、この手で殺したくて仕方ねぇのを、必死に抑えてるんだ、

  一歩、さらに踏み込む。  

憂唯

死にたくないなら黙ってろ

〇〇

…ッ

  客は、喉を鳴らしたまま言葉を失う。  

  部屋の支配者が誰なのかを、一瞬で思い知らされて  

〇〇

……っ、ちくしょう……

  そう、呟いた。  

  憂唯は、ベッドの上で震える魅音に目を向けた。 その瞳だけが、冷酷さと執着を同時に孕んでいる。  

憂唯

魅音

魅音

…(ビクッ

憂唯

逃げたくせに、売りか?

  吐き捨てられた声に、魅音の目には涙が浮かんだ。  

魅音

ち、違っ……俺……無理やり……

憂唯

違くねぇよ

  低く囁く声。  

憂唯

俺以外に触れられた、その事実は変わらない

憂唯

…違う?

  そう言いながら、憂唯は魅音に近づいた。  

魅音

やだ……来ないで……!

  魅音が必死に後ずさるも、その腕はあっさり掴まれる。  

憂唯

しーッ

憂唯

黙って

魅音

…ッ

  冷酷な一言と共に抱き上げられ、胸に押し付けられる。  

魅音

やだッ……おろせ……

憂唯

おろせ?

憂唯

そんな言い方していいんだっけ?

魅音

……うぅ…おろして……グスッ…

憂唯

そうだよな(ニコ

憂唯

ま、下ろさないけど、

魅音

……ゃ、、お願ッ……

憂唯

無理

  一言。たった一言そう告げた憂唯は、 魅音を抱えて部屋を出た。  

 

 

憂唯

魅音、あいつに無理矢理連れてこられて疲れてるだろ?

憂唯

寝てていいよ

魅音

…ッど……どこ、行くの……

憂唯

ん?

  涙で濡れた声に、憂唯は口元だけ緩めた。  

憂唯

きっと、着いたらわかる

憂唯

……そろそろ、懐かしい部屋に戻ろうな

憂唯

……少しお前から目を離しすぎたみたいだ

魅音

……ぁ……あぁ…ゃ……

  その囁きに、魅音の心臓が凍りつく。  

  二度と戻りたくなかった、“あの場所”へ——。  

 

next ▶︎♡60

 

  皆様へ  

  次に進む前に、番人よりひとつお伝えしておきます。  

  これからの場面には──🔞を含む描写がございます。  

  —番人—  

 

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