この作品はいかがでしたか?
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気が付くと、雨が止んでいた。
莉犬
大声で笑っていた君は、疲れたのか、大きなため息をついた。
そして、起き上がって僕の方を見た。
莉犬
君は、僕にそう問いかけた。
莉犬
君は、笑顔でそう言った。
るぅと
僕はそう言った。
すると、君は僕の手を掴んで、立ち上がらせた。
莉犬
莉犬
君は、笑顔でそう言った。
るぅと
僕がそう言うと、今度は君が僕の手を引っ張って走り出した。
僕は、君に引っ張られながら走った。
そして僕らは逃げ出した。
この狭い狭い世界から。
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて君と二人で。
僕らは、足が痛くなるまで走った。
突然、君が止まった。
莉犬
君は、そう言った。
呟くように言った。
でも、僕には、「それでもいい?」と問いかけるように聞こえた。
るぅと
僕は、そう言った。
君は、僕に向かって、満面の笑みを向けた。
無意識に、今まで頭の片隅で考えていた言葉が出てくる。
るぅと
るぅと
君は、僕の言葉を聞いた途端に、手を握る力を強くした。
そう言ってほしかったのだろう。
そう言ってくれて、嬉しかったのだろう。
その時の僕は、そう思っていた。
るぅと
るぅと
わざと、2回繰り返した。
僕は、その言葉だけで、君を慰められると思っていたんだ。
この時の僕は、気付けなかった。
君は、その言葉だけじゃ足りないと思っていたことに。
コメント
11件
気になる終わり方!天才ですね!