2人でバスを降りて、周りを見回す
ボク
君
ボク
君
君
ボク
高い建物がたくさんあって、 人もいっぱいいる
ボク
君
ボク
君
君
ボク
初めての都会に、 少しドキドキしながら足を踏み出した
しばらく街中を歩いて、 今度は脇道に入ることに
君
ボク
何かを見つけたらしく、 君がはしゃぎ始める
君
ボク
道の端で、気持ちよさそうに 寝ている白猫がいた
君
ボク
君
ボク
君
ボク
君
君
ボク
起こさないように、 そっと猫の上を飛び越える
ボク
それから少し歩いて、 大通りの近くに戻ってきた
君
ボク
そんなことを話しながら、 横断歩道に差し掛かる
君
君
君
ボク
突然そう叫んだと思ったら、 背中を突き飛ばされる
ボク
ドンッ!!
ボク
何かがぶつかる音がしたと思って、 後ろを振り向く
ボク
そこには、君がいなくて
いつも乗っていた、バスがあった
ボク
ボク
突然のことに頭が混乱して、 必死になって辺りを見回す
すると、視界の端に、 とある“モノ”が映り込んだ
ボク
ボク
真っ赤になって、 地面に横たわっている君
動く気配は全くなかった
ボク
街の人
ボク
知らない人にも話しかけられて、 さらにパニックになる
街の人
街の人
街の人
ボク
救急車って、ケガした人とか 病気の人を運ぶ乗り物だよね?
ボク
ボク
ボク
ボク
ボク
バスの中で、いつもの窓側に座って、 昔のことを思い出す
きっとあの時のボクは、君が 死んだって事実を、受け入れたく なかったんだと思う
ボク
あの時、突っ込んでくるバスに ボクが気づけていれば
気がついて、そこから逃げていれば
ボク
たった2歩を、今でも悔やんでいる
ボク
ボク
でも、そんな後悔も今日で終わり
ボク
……ボクの人生の、最終便だ