魔界で…

海南はベッドから出て、赤闇について行く

そう言って赤闇は近くにいた人を呼び止める

そう言って赤闇は食堂を出た

リオは食べながらも私の質問に答えてくれて

食べ終えた後

教室へ

私はリオの隣の席に座った

もしかして飴は関係なく私を気遣って後ろの席に座ってくれたのかもしれない

差し出された目玉っぽい物体に驚愕する

飴ちゃんというにはそれはあまりにも奇抜でグロテスクで………

聞こえた興奮気味の声はぎゅうぎゅうに埋まった前方の席からだった

女子生徒たちが目をキラキラと輝かせて談笑中だ

言葉の途中で、ドアが開いてすらりと背の高い男性が入ってきた

またここにもプリンセスが1人……

昨日会った時は状況が状況だったのでそんな風にはまったく思わなかった

けれど改めてロイという人を見ると…

王冠をかぶり、にこやかに民衆へと手を振る姿が容易に想像できる

彼はゆったりとした足取りで教壇の前に立ち優雅な所作で襟元を正しく笑みを深める

それだけじゃなく軽く手を振られた

前列の女子生徒たちがこちらを振り返る

ガラガラガラ

赤闇さんは後ろの席の端っこに座った

女子生徒たちは前に向いた

突然開いたドアに教室内がざわめいた

入ってきたのは…

彼との距離が縮まってしまう

目を逸らすことが出来ず周囲にいる人たちの存在や音や空気が消え失せた

どこにも逃げ場がないように感じて…

まるで何もなかったかのように、ロイさんは穏やかに生徒の名前を呼んでいく

身体の前にスッと手をかざした

次の瞬間

金色のグラスが、目の前に飛んできた

おそるおそる中を覗き込むと液体が入っていて更に驚く

私以外の生徒は平然としていることにも

生徒のみんなはグラスへと両手をかざし始める

水をワインになんて

魔力を使うなんて

彼は机に肩肘ついて「早くやれ」と言わんばかりの傲慢な表情で私を睨む

見よう見まねでグラスの上に両手をかざしてみる

近くで見るとロイさんの王子様オーラはキラキラと増していた

彼はリオの赤ワインに指先をひたして自らの口元へと持っていく

そう言って赤闇さんはロイと同じように指先をつけて口元へと持っていく

私は頷いた

急に立ち上がった彼は、私と目も合わせずに教室を出て行った

この時間、私の目の前に用意された水がワインに変わることはなかった

こんちゃー

続き作りました

毎回作るの遅くてすいません

スペシャルのストーリーも作るので見てください

それじゃあ

バイチャー