青い空が見えた。
助かった…?
体に感じる激しい痛みと重み。
レトルト
ぐっと体を起こすと
俺に覆いかぶさるようにして ぐったりしているキヨくんがいた。
周りからはざわざわと 人の騒ぐ声が聞こえてくる。
レトルト
ぼそっとその名前を呼んだ。
キヨ。
俺の顔を覗き込んで 安堵の笑みを浮かべている。
レトルト
そう聞くやいなや、 俺の体を思いっきり抱きしめた。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
今までに聞いたことのない怒声。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
怒声の中に僅かに交じる嗚咽。
レトルト
鼻を啜る音が耳元で聞こえる。
レトルト
レトルト
レトルト
キヨ。
レトルト
突然謝られて 俺は混乱した。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
抱きしめる腕に力が入る。
キヨ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
キヨくんが何度も何度も謝る。
状況を飲み込むのに かなりの時間がかかった。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
涙声でそう言うキヨくん。
俺はまだ状況を理解できずにいた。
キヨ。
レトルト
全身を打った俺は 痛みに耐えながらもなんとか起き上がる。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
いつもより力が入らない。
キヨ。
レトルト
キヨくんの肩を借りて 歩道まで歩く。
キヨ。
キヨ。
近くにあったベンチに座らされる。
レトルト
キヨ。
俺は急に不安になって キヨくんの袖を引っ張った。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
レトルト
レトルト
また行ってしまう―
なぜかそう思って その手に力を入れた。
キヨ。
キヨ。
ベンチに座りながら タクシーを呼んでいる。
その懐かしい横顔。
俺の知ってるキヨくんだった。
病院から戻った俺達は コーヒーを飲みながら一息つく。
キヨ。
レトルト
レトルト
さっきの事故のことは 後日手続きがあるそうで
また連絡がくるようだ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
そう言いながら俺の腕を引っ張り そっと抱きしめてくれた。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
やっと思い出してくれた…
その瞬間、今まで我慢していたものが 堰を切ったように溢れ出した。
レトルト
レトルト
俺の目からは 止めどなく涙が溢れた。
レトルト
レトルト
大人気なく泣きわめく俺の背中を 優しい手付きで撫でてくれる。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
レトルト
レトルト
レトルト
レトルト
どんなに抱きしめても足りない。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
TO BE CONTINUED…