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鈴川貴洋
どうも鈴川貴洋(すずかわたかひろ)です
鈴川貴洋
36才で、父の仕事を引き継ぎ、社長となりました
鈴川貴洋
そこで、まず、わたしがしたことは、…小さな村に復讐でした。
鈴川隆信
どうだ？
鈴川貴洋
スゴい良い景色だね
鈴川隆信
よかった
鈴川隆信
ここは磯畑村というらしい
鈴川隆信
まあ空気は美味しいな
緒川庸三
いやぁ、わざわざどうも東京から来てくれて、ほんとにもう、ありがとうです
鈴川隆信
いえいえ
緒川庸三
工場建設も、社長さん自ら視察するとは
鈴川隆信
事故とか起きてほしくないんで
緒川庸三
ほぉ
楽しい村の生活が始まる そう思っていた
勝又健二
転校生の鈴川貴洋くんだ
鈴川貴洋
よろしくお願いします
高岡仁
ｹｯ
緒川拓真
ﾍｯ
高岡仁
お前さぁ、田舎もんバカにしてにきてきたろ？
緒川拓真
そうだそうだ！
鈴川貴洋
え、なに、急に
高岡仁
やっぱりこいつ、田舎もんバカにする気だ！！
緒川拓真
んだ！
鈴川貴洋
最初は無視をされました
鈴川貴洋
あと、靴を隠されたり
鈴川貴洋
人前でパンツ脱がされたり
鈴川貴洋
仕舞いには蹴られて、川に突き落とされ
鈴川貴洋
そこで、父がキレて引っ越しました
鈴川貴洋
それで、社長に引き継いだとき、復讐を誓うことにしたんです
鈴川貴洋
お久しぶりです
緒川庸三
おや、まあ、たくましく育ったなぁ
緒川庸三
あ、孫なら
鈴川貴洋
いやいいです
緒川庸三
そ、そうか
鈴川貴洋
それで、なんですが、うちの会社、規模を縮小することが決まりまして
緒川庸三
え
緒川庸三
それは、つまり…
鈴川貴洋
工場をたたみます
緒川庸三
ま、まってけれ
緒川庸三
工場には、息子も孫も働いてるんじゃ
鈴川貴洋
そのお孫さんにされたことを話しましょうか？
緒川庸三
え
一時間後
緒川庸三
申し訳ない
緒川庸三
本当にもう、申し訳ない
緒川庸三
だが、工場を閉鎖したら村はやっていけん
緒川庸三
た、頼む！！
鈴川貴洋
恨むのなら、お孫さんを恨んでくださいね、あと、私をいじめてくれた生徒や、見放した先生を
緒川庸三
まっ、まって、まってくださ
鈴川貴洋
ん、お客様？
緒川隆吉
しゃ、社長
緒川隆吉
頼みます
緒川隆吉
息子が貴方に何かをしでかしたのは謝ります
緒川隆吉
だ、だから、工場の閉鎖という話を止めてくれませんか？
緒川隆吉
お願いします！！
鈴川貴洋
貴方が謝っても、工場閉鎖は変わりませんよ
鈴川貴洋
だいたい、息子は？
鈴川貴洋
あんたの謝罪なんか一ミリも意味ないんだよ
鈴川貴洋
欲しいのは、息子たちの謝罪
緒川隆吉
わ、わ、分かりました…
鈴川貴洋
ただ、あと
鈴川貴洋
家にまで押し掛けるな、後日、あの村にあるレストランで会いましょうか
緒川隆吉
はい、すいませんでしたあ！！！
鈴川貴洋
お久しぶりです
緒川拓真
あ、あの
高岡仁
その
鈴川貴洋
なんですか？
緒川拓真
工場閉鎖は、…やめてください
高岡仁
お願いします
緒川隆吉
わたしからも
緒川隆吉
頼みます
鈴川貴洋
そうですね、じゃあ、私が彼らにされたことを私がしてもよろしいでしょうか？
緒川拓真
え
高岡仁
ちょっ
鈴川貴洋
靴を隠されたり、人前でパンツ脱がされたり、川に突き落とされたり、あと…
腕をまくり、二の腕には傷がたくさんあった
鈴川貴洋
このような傷をつけても
緒川拓真
ごめんなさい、それだけは勘弁してください
高岡仁
お願いします
鈴川貴洋
それでは工場を閉鎖しますよ
緒川隆吉
あ、あの、みんな大人になったんだ、だ、だから、それだけは勘弁してくれない、ですか？
鈴川貴洋
子供のころのトラウマは離れないんですよ
鈴川貴洋
今も川に突き落とされたときのことを夢に見ます
鈴川貴洋
こいつらは？
鈴川貴洋
工場を閉鎖するのはいやなのに、自分たちがしてきたことをされるのもいや、と
緒川拓真
ごめんなさい
高岡仁
許してください！！
鈴川貴洋
あのあと、工場は閉鎖、村には路頭を彷徨うことになった人がたくさんいたらしい
鈴川貴洋
とくに、あの二人は村八分にされてるらしいです
鈴川貴洋
でも、村から出てきて働けばいいのに、なんでしないんでしょうね
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