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昔ながらの木造平屋が軒を連ねており、主要な店の多さもあっていつも人間で賑わっている。

妖怪存続の為に、たとえフリでも「妖怪が人間を襲う」事が重要視されている幻想郷で、人間が命の危機をあまり感じずに生活できる数少ない地である。妖怪が存在するためには人間の持つ心が必要不可欠なので、人間の種を残す意味でこの場所は存在する。

【 幻想郷の人里︰鴉茶屋 】

〈綾瀬 柚子〉

(幻想入りして早3週間)

〈綾瀬 柚子〉

今日も平和ですねぇ〜😊

〈鴉茶屋のお婆〉

そうねぇ〜😊

3週間前、綾瀬 柚子の提案により人里で『何でも屋』を経営する事になった二人は現在、人里内でそれなりに名が知られる便利屋となっていた。

〈鴉茶屋のお婆〉

この間もありがとねぇ〜雨漏りを直してくれて。最近、若い子が少ないから困ってたのよ〜。

〈鴉茶屋のお婆〉

そういえば、あの子は?

〈綾瀬 柚子〉

火棲くんのことですか?彼でしたら今頃·····

現在地 【 人里の稗田寺子屋 】

一方、僕こと柊 火棲は、人里に住む子供たちの前で先生の真似事をしている。

教科書を片手に黒板にチョークで、今日の課題テスト内容を書いている最中だ。

〈柊 火棲〉

先日話した通り、今日は一般常識のテストを行う。

〈柊 火棲〉

赤点は補習、カンニングした者は罰則として慧音先生の頭突きが有るからな?

恐らく安心して授業を学べる寺子屋は、この幻想郷で数少ないと思われる。幻想入りして三週間ほど経過するが、この世界で1人の人間が生きるには過酷すぎた。

〈人里の子供たち〉

は〜い!頑張るぞぉ〜!

元気に手を挙げる子供たちでさえ、外の世界が危険だと理解している。中には親を妖怪に食い殺された子も居るはずなのだが、暗い顔ひとつ見せない子供たちが末恐ろしい。

数時間後、テストを終えた生徒たちを見送り、今日の依頼料を受け取るため再び寺子屋へ戻る。教室の奥の部屋、襖を開けると年季のあるテーブルが置かれた和室がある。

そこで粗茶を嗜む女性〈上白沢慧音〉と呼ばれる半獣が座っていた。

〈上白沢慧音〉

来たか、丁度書き終えたよ。君が所望していた歴史本だ、受け取ってくれ♪

竹ペンをテーブルに置き、手渡しで火棲に渡す、それが今回の依頼報酬「幻想郷の歴史が記された古本」だ。内容は大まかにまとめられた幻想郷の歴史、人里に住む人なら一般的に知られる歴史が書かれている。

〈上白沢慧音〉

今思えば本当に歴史本で良かったのか?私の授業に出席してくれるのなら基礎的な歴史を教えられル·····

〈柊 火棲〉

遠慮しておきます、慧音先生の授業内容は理解に苦しむので😊

〈上白沢慧音〉

グハッ?! [心を刺す音]

〈上白沢慧音〉

生徒にもよく言われるが、面と向かって言われると心に来るものだな💦

竹柄の巾着袋に古本をしまいながら今日の夕食の事を考えていた火棲は、何気ない表情で一礼を済ませた後、和室から出る。

すると、伝えたいことがあったのか?慧音先生が背後から声を掛けてきた。

〈上白沢慧音〉

柊 火棲くん、だったね?

〈柊 火棲〉

他に何か⋯

〈上白沢慧音〉

君とは長い付き合いになりそうだ。良ければ、この後空いてるかな?🍶´-

「空いてるかな?」とは恐らく"飲みに行く"という意味だろう。慧音先生とは未だ三日の付き合いだが、早めに関係性を築いておくのは得策かもしれない。

そんな事を思いながら火棲は、軽く頷いた。

同時刻 【 幻想郷︰人里周辺の森林 】

霧が立ち込める薄暗い森の中で、今日も獲物を探してフヨフヨと飛行する人喰い妖怪がいた。

〈ルーミア〉

お腹空いたよぉ(›´ω`‹ )

彼女はお腹を擦りながら森林を探索していた時、不思議な現象を目撃する。それは、ガラスが割れたかのように空間に亀裂が走る瞬間であった。

空間が割れた窓ガラスのように飛び散ると、人ひとりが通れる程の大きさになりルーミアは興味本位でその"穴"を覗こうと歩を進めたその時、何者かの手がルーミアの肩に触れた。

彼女は妖怪であり恐怖を微塵も感じた事がなかった、あの巫女の前でさえ恐怖を感じずにいたルーミアだが、彼女が初めて感じた感覚の影響により身体が硬直し始めていた。

〈ルーミア〉

アッ·····

「絶対的な恐怖心」がルーミアの口を黙らせた。

〈???〉

この場で出会うとは⋯

〈???〉

因果は既に歪んでいる、最後に相応しい世界ではないですか😊

突如として現れた謎の天使は微笑みを浮かべて、白く大きな6枚の翼を広げる。そんな天使の手は、掴んでいた肩からルーミアのリボンに移動していた。

〈???〉

まず手始めに彼女から、札を切りましょう。

リボンの封印が解かれたその時、ルーミアの内に眠る何かが目覚める。「闇」「深淵」「渾沌」「暗黒」眠っていた力が溢れ出ると黒紫色の光が森を照らし、光が止むとルーミアの姿は変貌する。

〈ルーミア〉

アハハ八八ノアハッアハッアハッアハッアハッアハッアハハハハッアヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒ──────!!

暗黒の翼を広げたルーミアは、静かだが凄まじい速度で人里の方へ飛んで行った。

〈???〉

この世界の主人公は、どれ程のものか図らせていただきますよ😊

寺子屋を閉めたあと火棲と共に飲み屋へ向かう道中、上白沢慧音は人里の周辺から妙な気配を感じ取り立ち止まってしまう。

〈柊 火棲〉

ンッ⋯慧音先生?

急に立ち止まった慧音先生に違和感を感じた火棲は、彼女の表情を確認すると表情は酷く青ざめて、冷や汗をかいている。

「大丈夫ですか?」と声をかけようとしたその時、突如として空が切り替わるように朝から夜に変わっていた。

〈上白沢慧音〉

結界を下ろされた!?

彼女が空を見あげた、すると慧音は咄嗟に隣に立っていた火棲を近くの小屋へ投げ飛ばす。空を切る無数の剣が向かってきていたのだ。

慧音は次々と襲う無数の剣を交わし、両拳で弾き落とす。しかし雨に等しい剣を全ていなすことは困難であり、剣が止んだ頃には酷く血を流す惨めな姿を晒す。

〈上白沢慧音〉

ハァ⋯ハァ⋯ハァ⋯

〈上白沢慧音〉

(不意打ちとはいえ少し鈍ったかな⋯)

小屋の窓を背中から突き破り、転がり込む。なぜ慧音が咄嗟に投げ飛ばしたのかを考えながら入口へ向かうと、外側から扉が開かれた。

〈上白沢慧音〉

良かった、無事だったか!

何事も無かったかのように笑う彼女を見て、俺は胸を締め付ける。

〈上白沢慧音〉

ボロボロの衣服、痛々しい切り傷、この一瞬で何が起こったのか?大まかに把握した火棲は、真剣な面持ちに切り替わる。

〈柊 火棲〉

その姿は⋯

そう尋ねると、頭にハテナ?を浮かべる慧音は、小屋の扉を閉めて口を開いた。

〈上白沢慧音〉

これは自業自得だよ、完全なる油断、平和ボケってヤツさ〜

〈柊 火棲〉

申し訳ない、僕も気を緩みすぎていた。

〈上白沢慧音〉

それなら今度"お酒"を奢っておくれよ、飲み明かそうじゃないか😊

火棲は頷き、切り替えて慧音は知っている情報を共有し始める。

〈上白沢慧音〉

ルーミアと呼ばれる妖怪がいる、恐らく彼女がこの状況を作り出した犯人だ。

〈柊 火棲〉

ルーミア?あの金髪の子供か、以前森で見かけた時はそれ程の脅威に感じなかったが⋯

〈上白沢慧音〉

君が森で見た彼女はただの器さ、その器に注がれている者こそ本物の彼女、闇そのもの。

〈上白沢慧音〉

先代巫女が封印した深淵の妖怪、それが彼女であり、ルーミアだ。

人里を見下ろす巨大な黒い球体、その中で彼女は姿勢を丸める。

繭の中でうずくまる"芋虫"は、形を変えて溶けていく、そして新たな形へと姿を変える。巨大な黒い球体の中でもそれと同じ事が起きていた。

黒い液体は人型を形成し始め、臓器は動き、身体に血が巡ると肌の色は明るく命が宿る。

妖怪を超越した存在、封印が解かれた事により彼女は新たな生命を持ってしまった。

〈EXルーミア〉

ハァ──────

直後、黒い球体は真っ二つに切断され、生まれ変わったルーミアが姿を露わにする。

髪をかきあげ、両手の動作を確認、頭の先から、つま先までの筋肉を動かす仕草、彼女はその動作を1秒で2回繰り返した。

ルーミアが動き出すタイムリミットまで、残り『29秒』突如として封印が解かれたルーミアに対応できるものは?

「彼と彼女がいた」

〈上白沢慧音〉

本当に着いてくるつもりか、死ぬぞ?

〈柊 火棲〉

無問題、死ぬつもりはない。執筆するまでわ⋯

〈上白沢慧音〉

ンッ?

小屋の扉を勢いよく突き破り『28秒』の時点で二人は人里の脇道を走り抜ける。そんなさ中、慧音は並ぶように走る火棲へ作戦を伝える。

〈上白沢慧音〉

現状の人里で戦える者は少ない、鏖殺が始まる前に再封印する!

〈柊 火棲〉

再封印か、具体的に頼む

〈上白沢慧音〉

私のスペル『三種の神器・郷』を使用すれば再封印可能だが、長い貯め時間が⋯

〈柊 火棲〉

正確な時間は?

〈上白沢慧音〉

5分間⋯

『20秒』の時点で二人は、ルーミアの傍まで近ずいていた。場所は人里の中心地、大通りとも言える十字路の真ん中にルーミアは立っている。

〈柊 火棲〉

なら僕が時間を稼ぎます、この能力なら可能なはずです。

何も無い虚空の空間から、光の素粒子が火棲の手に集まり形を形成する。

〈上白沢慧音〉

(何もない空間から妙な機材が、これが彼の能力?)

幻想郷では大抵の人物が『〇〇程度の能力』を持っている。幻想入りした時点で、柊 火棲は妙な能力を獲得していた。

〈柊 火棲〉

『仮面ライダーに変身できる程度の能力』

特撮シリーズに仮面ライダーと呼ばれる作品が存在する。この力を獲得する前まで仮面ライダーには一切興味すら湧かなかったが、綾瀬 柚子の熱狂的な解説により少しは理解できた。

どうやら俺の能力は『知識量』によって変身できる仮面ライダーの幅が広がるようだ。

火棲は素早くライダーベルトを腹部辺にかざした瞬間、ベルト部分が腰に巻き付き固定された。

音声『ビルドドライバー』

ビルドドライバー!!

〈柊 火棲〉

(装着する時の音声、相変わらず耳障りな⋯)

〈上白沢慧音〉

火棲くん!

呼び掛けに振り返ると、決意を固めた表情で慧音は見つめていた。

〈上白沢慧音〉

信じて良いんだね?

慧音の言葉に黙って頷いた、そんな彼の瞳を見て彼女は、とある人間を火棲と重ねる。

〈上白沢慧音〉

フフッ[苦笑] 君は、あの人間と同じ目をするのか♪

〈上白沢慧音〉

──では、始めるぞ!!

〈上白沢慧音〉

作戦

〈柊 火棲〉

開始⋯!!

音声『ビルドドライバー』

ラビット!タンク!ベストマッチ!!

音声『ビルドドライバー』

Are you ready?

〈柊 火棲〉

確か"変身"だったか?

音声を鳴らしながら変身の段階を進めた火棲は、ルーミアの寸前まで接近していた時には、仮面ライダービルドに姿を変えていた。

音声『ビルドドライバー』

鋼のムーンサルトー!ラビットタンク!イェーイ!!

〈柊 火棲︰ビルド〉

さぁ、実験を始めようか?

創造上のスペックが乗った仮面ライダーの拳と蹴りはkgを超えて、パンチ力『9.9t』を叩き出した、例えるなら大型トラックが衝突する威力である。

〈柊 火棲︰ビルド〉

(それなりに全力で殴ったつもりだが⋯)

ルーミアは剣で咄嗟に火棲の攻撃を防ぎ、吹っ飛ぶも地面をスライドしながら平然と立っていた。

しかしルーミアの短剣は砕け落ち、意識がハッキリしてきた彼女は、火棲を敵として睨みつける。

〈EXルーミア〉

アナタも、私の邪魔をするのかしら?

始まるのだ、幻想郷での初めての実戦が。

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