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骸骨さんめちゃくちゃ優しいじゃん✨ 人生に疲れた人、辛かった人が行くWonderland、か……。疲れたり辛かったりしたら誰かに相談とかすることが心のケアが出来るんだな……って思ったw
はぁ、疲れた……。
いつもと変わらない ボロボロの我が家の姿を見ては
謎の安心感が僕を支配する。
目頭に溜まった涙を 零すまいと、上を向く。
藍色と茜色のグラデーションが 空を綺麗に塗っていく。
『今日も綺麗だな…』
上司のいない平和な世界で、
夕暮れを眺めながら一人、 しみじみと思い出に浸る。
友人のこと
家族のこと
恩師のこと…
そんな事を想う。
ふと我に返り、 残酷な現実に引き戻される。
耳にこびりついて離れない、 上司の怒声___
無理やり押し付けられた、 書類の作成。
それこそが、僕にとっての
何の変哲も無い、 当たり前の日常だ。
もはや感情などない。
嬉しくも楽しくもなければ、
辛くも悲しくもない。
書類が山積みになった、 重いファイルを抱える。
いつもと同じように 溜め息をつきながら……
そっとドアノブに触れた。
ガチャ……
ピカッ!!!
突然、目を開けないほどの 眩しい光に包まれる。
戸惑う暇もなく、そのまま 強い風が吹く。
すると、抱えていた大量の 書類が飛んでいってしまう。
も必死になって、拾おうと 手を伸ばしてみる。
そんな思いも虚しく届かず、
書類たちはますます 色んな方向に飛び散る。
終いには、すっかり諦めて 川に流されるように
されるがまま、呑気に 風に飛ばされていった。
"Welcome to wonderland! "
『ようこそ、
おとぎ話の世界へ。』
暗闇に包まれた景色一面に、 星々がキラキラと輝いている。
…辺りには、それさえも 隠してしまうような
もやもやとした霧が 漂っていて______
目の前に突然現れたのは、 真っ黒な服を着た骸骨。
…幻覚か?
はたまた…夢か?
…どちらにしても、 この世ではないことは確かだ。
なんなんだ、この骸骨。
やけにテンションが高いな。
骸骨はそう言い、 不気味な笑みを浮かべる。
太陽さえも 隠してしまうかのような、
闇がかかった、 暗く恐ろしいほどの。
この骸骨に、僕の夢を 叶えさせることなんて…
到底無理だと思うが…
この際、どーなってもいいや。
その者の身体が ぐにゃりと変形する。
青白い光が骸骨を 包み込んで…
骨だけだった身体に皮膚が くっついて、肉ができる。
次々と形を変える身体は、 確実に何かに近づいていく。
冴えない顔。
死んだような目の色。
それは…
___僕。
…強い抵抗感を覚えた。
今まで上司には 言えなかった言葉が…
自然と、するすると出てきた。
''Welcome to wonderland!''
『ようこそ、
おとぎ話の世界へ。』