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魔法使いは何を唱う？ー7つの音色ー

第31話 - いつも通り

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2023年05月17日

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#nrs

#nmmn

かえで🍁✒️

〜翔太 side〜

翔太

え……？

なんだ、この光景は

今までに見たことがない、紅に染まった世界

斬った感覚も、いつもと何か違った

いつもより確実に手応えがあった ……いや、あり過ぎた

翔太

なん、で……

浄化技を交えて斬ったはずの相手は、僕の前で、血を流して倒れている

翔太

……んで……っえ……？

翔太

ぼ、く……まち、がえた……？？

浄化技を交えて闇使いを斬ったなら、普通こんな傷は負わない

ちゃんと詠唱もした、いつも通り、いつも通りだったはず

レイ

……ってぇ……。

レイ

っ……はは……容赦無しかよ、お前……

翔太

ち、ちがっ……だって、君は……？？

浄化技はちゃんと打った

だって、レイが闇使いだから

ノアさんにそう聞いたから

レイ

なんだ……まさか、闇使いと勘違いでも、したのか……？

レイ

……残念だったな……オレは、“闇属性”の血引いてんだよ……

翔太

闇、属性……？

翔太

で、でも、あの“稲妻(サンダーボルト)”は……？

レイ

それは……“親父”にでも聞け。もうオレは、話せる力ねぇからな……。

レイ

……あぁ、待った。一つだけ……。

レイ

……オレに、“人生”くれてありがとうな、アマミヤショウタ

翔太

……！？

翔太

……レイ……？？

……瞼を閉じた彼に、何度呼びかけても、もう返事はない

真冬

っ……天、ちゃん……

翔太

あ……大、丈夫……大丈夫、だよ

性格なのか、独りの時の癖なのか、そう答えてしまう

翔太

みんな、怪我、してない？

本当は、何も大丈夫じゃない

翔太

（……僕……人を、殺した……？）

罪悪感と恐怖が、一気に肩にのしかかってくる

翔太

（闇使いのはずなのに、なんで、浄化技が効かなかった……？）

翔太

（いや、レイは“闇属性の血を引いてる”って……でも、光を使えてたのは何……？）

翔太

（違う。レイが何者であろうと、レイを闇使いって言ったのは、ノアさんで……。）

翔太

（……まさか、僕ら……ノアさんに、騙された……？）

翔太

（いや、そんなわけない。それだけは絶対にない！　オルコットは誰かを裏切ったりはしない！　だって……！）

翔太

（でもじゃあ、何でノアさんは嘘を……いや、ノアさんも知らなかった……？？）

翔太

（っ、違う！　これも今はどうでもいい！！）

翔太

（理由が何であろうと、僕はっ……！！）

〜真冬 side〜

天ちゃんは、ちゃんと浄化技を交えて斬っていたはず

ミスなんてするはずがない

なのに……今僕らの足元に広がってる、この紅い池は何？

真冬

っ……天、ちゃん……

放心状態で、ぽつりとそれだけ呟く

翔太

あ……大、丈夫……大丈夫、だよ。

翔太

みんな、怪我、してない？

明らかに大丈夫ではない、血の気の引いた顔で、歪んだ笑顔を見せながらそう言ってくる

真冬

（こんな時まで、僕らの心配……）

真冬

……っ！　う、ぇ……

突然脳が自覚した鉄の匂いに、思わずえずいて、その場に蹲る

優

っ！　まふ！

咄嗟に駆け寄って、さかたんが背中をさすってくれた

真冬

（なんで、何でこんなことになった……？？）

真冬

っ……ごめん……。さかたん、平気なの？

優

まぁ、一応看護師しとったから、血には慣れとるけど……っでもこれは、けっこーキツイわ……

シャノン

……みんな、ちょっと聞いてくれる？

真冬

……？

不意に、少し離れたところにいた 96ちゃんが、何かを話し始めた

シャノン

私は、こうなることを……あの人が、普通の使いってことを知ってた。

シャノン

……知ってた上で……何も、言わなかった……っ……

申し訳なさそうな表情を浮かべて、俯き気味に話す彼女

彼方

知ってたって……だったら、何で話してくれなかったんだよ？

彼方

この中の誰かが、人殺すことになるのを、知ってたのにっ……！！

百瀬

ちょっ、兄貴落ち着いて！　96猫さんだって悪気があったわけじゃ……！

彼方

悪気がないからって、何でこんな大事なこともっと早く教えなかったんだよ！　実際今天月が……！！

シャノン

っごめん。ごめんなさい……！！　でも、これがっ……。

シャノン

っ……これが魔法界の、あの世界の決まりなの……！

シャノン

みんな……つっきー……ごめんなさいっ……！

そう言って、“ごめん”という言葉を何度もくり返す96ちゃん

翔太

……大丈夫だよ。世界の決まり、なんだよね。なら、96ちゃんは何も悪くないよ

シャノン

っ……！　つっき──。

シャノン

──っえ……？

天ちゃんの顔を見た96ちゃんが、何故か、困惑の色を浮かべる

翔太

僕なら大丈夫。大丈夫だから。そんなに気負わないで。ねっ？

翔太

ほら、ノアさんに報告しに行かなきゃ。色々、聞きたいことあるもんね

何か、天ちゃんの様子がおかしい

強がりなのか、僕らに心配をさせない為なのか、いつも通りに振る舞っている彼

真冬

いや、天ちゃん、大丈夫なわけ……

そう言いながら、天ちゃんに近づいて、顔を覗く

真冬

……──っ！？

翔太

僕は大丈夫だよ。ほら、まふ君こそ──

その後の言葉は、聞こえなかった

多分、目の前に広がっている現実に、自分の脳の処理が追いつかなかったんだと思う

返り血を浴びていた彼の顔は、怖いくらいにいつも通りすぎる、にこりとした笑顔で

真冬

（嘘、でしょ……）

でも右眼だけは、まるで彼の負の感情を、全て背負うかの様に──

──光を失って、黄色く変化していたから

魔法使いは何を唱う？ー7つの音色ー

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レイは普通の使い……？てことはノアさんが嘘をついてたことになるけど、そんなことをする人なのか…？そして魔法界の決まりって、一体なんなんだろう… そして天月さんの目が…もしかして闇落ち…？予想外の展開に脳がついていけてません💦

え…？浄化じゃなくて、、そらるさん気持ちは分かるけど96ちゃんを責めないで!!仕方ないんだよ、ノアさんが嘘を？けど96ちゃんの魔法界の決まりって…？またあまちゃんが…しかも返り血に片目色変にいつも通り?はそりゃ怖いだろうな…

え？…レイは普通の使いだった…？ノアさんは…嘘をついてた？魔法界の決まり…？謎が増えた… そしてあまちゃんの様子が… もしかして…またあまちゃんの中には闇月が？でもあの時…自分で浄化したはずだけど… まさかレイを切ってしまって闇堕ち…？え？え？……わああああ！！！！！続きめっちゃ楽しみにしておりますです！！！

かえで🍁✒️

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