魔法使いは何を唱う？ ー7つの音色ー

さっきまでオッドアイだったはずの 天ちゃんの眼は、いつの間にか、 いつもの黒に戻っている

いつもの笑顔に、いつもの調子

強がりにしても、流石に いつも通り過ぎる気がする

7人で、魔法空間から魔法界へ来る

あの黄色い眼は、 見間違いなんかじゃない

96ちゃんも見てるはずだし、 僕は2度も近くで見てしまったから

……また、仲間と戦わなきゃ いけない時が、来るのかな……

中心部まで来ると、いつもの 部下の人に話しかけられて、 そのまま奥の応接室へ案内された

部屋に入ると、 既にノアさんがいて……

部屋のソファに座らせてもらって、 全員でノアさんを向く

この中ではきっと、そらるさんが 一番仲間のことを想ってる

だからこそ、今こうして怒ってるんだ

ノアさんが教えてくれたレイの話は、 こんな内容だった

レイは自分の息子、レイ・オルコット であり、テオ君の父親だったこと

生まれつき闇の血を濃く継いでいて、 少しだけ闇魔法も扱えたこと

昔から今と似たような思想を持って いて、中心部に軟禁状態だったこと

4年前なら、そらるさんは既に 魔法使いとして戦っているはず

そらるさんも知らないところで、 そんな事件が……？

……魔法界は、ただ平和に 魔法使い達が生きている、 小さな世界なんかじゃない

特別な力があるのに…… いや、特別な力があるからこそ、 現世よりずっと厳しくて、 ずっと生きづらい場所なんだ

今の天ちゃんは、 明らかに様子がおかしい

原因は多分……精神的なものだ

ゆっくり過ごせば、 少しは良くなると思う