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先週の水曜日。私とあまね先輩は書庫の清掃をする事になっていた。  その日の担当エリアは部屋の雑巾がけと本の整理。

上の物をとったり掃除をするのには脚立や台に乗る必要がある。  その時は、あまね先輩が脚立にのって棚の整理をしてくれることになった。

下で押さえておきましょうか?

あまね

大丈夫大丈夫、本も殆どないし、すぐ済みそうだから。カオちゃんはそっちの事やっといてよ

そうですか? じゃあ、気を付けてくださいよ

そう答えて私は雑巾がけをする為のバケツに 水を汲む為に書庫を出たのだが……

あまね

うわっ……あ、あっぶなっ

声に驚いて、先輩の方へ目を向けるとガタンガタンと脚立が揺れていた。

 高所での作業という事もあったのかもしれない。 上の方であまね先輩がバランスを崩してしまったらしい。

も、もう。だから言ったじゃないですか~

私は驚きながらも、脚立の方へ小走りで向かった途端に、 ツルンっと足を滑らせて無様に転んでしまった。

しかも恥ずかしい事に履いていた校内履きの靴が 片っぽが勢いよくすっ飛んで行ってしまう。

と、同時くらいにガシャーンと脚立が倒れる音も聞こえてきた。先輩も落ちてしまったのだろうか。と頭の片隅で想いながらも今は自分の事で手一杯。

い、痛たたたたたたたた

あまね

だ、大丈夫?

あ、あんまりだいじょうばないですけど……

(うう、お尻うっちゃった。痛いし恥かしいし。もう~~)

あまね

怪我してない? 保健室行こうか?

そこまでのことじゃないですよ。それより、あまね先輩は大丈夫だったんですか? 脚立倒れた音がしましたけど

あまね

ボクは大丈夫。カオちゃんが転んだのを見たら、ほっとけなくて飛び降りちゃったんだ

どうやら、あの音は脚立が倒れたのではなく、 飛び降りて脚立を倒した音だったらしい

もう、無茶しないでくださいよ……でも、ありがとうございます

あまね

いいんだって。カオちゃんのピンチならボクは例え火の中、水の中飛んでくるさ

意外にキリッとした顔に笑みを浮かべてドンと胸を叩く先輩。  冗談の様なセリフだが大真面目で言っているのが分かるから性質が悪い。 勿論、言われて嬉しくない訳でもない……が。

ああ、でも。そもそも先輩が脚立をガタガタさせてたから悪いんじゃないですか。下で押さえましょうかって言ったのに

あまね

む~~~。ごめ~~ん

言われた先輩は途端に先ほどとは打って変わって フニャンとした顔になってしまうのだった。

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