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あまね
香
はた目から見たらかなり派手に転んで尻もちをついたように見えたのだろうが、暫くしたら痛みも引っ込んだ。病院に行くまでもないほどの怪我だ。
でも、先輩は大分心配してくれたようだった。靴がすっ飛んで行った場所までわざわざ取りに行ってくれたのだが、 それを渡しに傍まで来てくれた時も大分取り乱していたようだった。
あまね
香
そう、棚の整理をする前に私たちは床に濡れ雑巾を掛けていた。それも乾いていると油断していたのも悪かったのかもしれない。 結果つるんと足を滑らせてしまったわけだ。
あまね
香
あまね先輩は日頃、能天気な様子を見せているが、一度落ち込むと深く沈んでしまうタイプでもあるらしい。この話題を続けると図らずも傷つけてしまいかねない。だから、もうこの話は止める方がいいのだ。 という意味を込めてこの話の終わらせる事を告げた。
あまね
生徒A
いつの間にやら女子生徒が受付へやって来て数冊の本を受付へ持ってきた。
香
生徒B
今度は男子生徒が声を掛けてくる。こちらは貸出し希望らしく先輩が対応した。 その後はいつもより多めに人がとっかえひっかえやってくる。 二十分くらいで漸く人の流れが途絶えた。
あまね
香
あまね
香
あまね
香
ノッコというのは勿論あだな。本名は宮田典子という。あまね先輩と同じ学年の女子生徒で彼女も図書委員だった。そのノッコ先輩から以前好きな男の子のタイプなどというものを聞かれた事がある。
私は正直今はそういう事に思考があまり向かないので「特にない」と答えたのだが、それがノッコ先輩にはおきにめさなかったようで、
ノッコ
で、それをかわす為に『そうですね。本を汚さない人とかかな』と適当に答えたことがあったのだ。