萌花
…ま!
萌花
…絵麻!
絵麻
え?
萌花
前!まえみて!
絵麻
へっ…
目の前にはかべがあって
ぶつかる!そんなことを覚悟してぎゅっと目をつむる
絵麻
…あれ?
もうぶつかっているはずなのに、どうして?
それにこの安心するぬくもりは…
柊人
柊人
絵麻大丈夫?
絵麻
しゅう君…
声のした方を見ると心配そうに私を見るしゅう君がいた
そして少し冷静になって周りを見ると私たち以外の生徒がこちらを見ていて
その中にはしゅう君の今の彼女も
ドンっ!
絵麻
あ、ありがとうしゅう君
絵麻
じゃあ、もうチャイムなるから先行くね
萌花
絵麻…
絵麻
もえちゃん、行こっ!
しゅう君を力いっぱい押しのけて
もえちゃんの手を引いて走った
萌花
絵麻!
絵麻
あ…ごめん
萌花
急にどうしたの?
息が切れて肩で呼吸しながらもえちゃんが私を見る
絵麻
しゅう君の…
絵麻
彼女が見てた
絵麻
悲しそうな辛そうな、私を憎んでるみたいだった
絵麻
私のせいであの子が傷ついた
絵麻
私のせいで…
‘‘私のせいで‘‘その言葉があまたの中でくるくる回る
萌花
絵麻、あなたのせいじゃない
萌花
そうやってすぐ自分を責めないの
絵麻
だって…
萌花
ほーら!いつも無駄にポジティブなんだから
萌花
こんな時もポジティブに行こう?
私の頬を引っ張ってニコッと笑う
それにつられて私もニコッと笑うと
萌花
よし!じゃあさっさと戻ろう!
萌花
早く戻らないとあのくず野郎がまた野次馬を連れてここに来ちゃうかもしれないから
絵麻
クズって…ふふっ
萌花
間違ってないでしょう?
絵麻
そうだね
キーンコーンカーンコーン
絵麻
あ!
萌花
やばっ!!
ガラガラ
絵麻
お、遅れました…!
先生
お、珍しいな。お前らが遅れてくるなんて
先生
早く座れー
急いで席に着く
純
珍しいじゃん2人しておさぼりなんて
机に肘を立てながらこっちをみる上原君
萌花
女子にはいろいろあるのよ
柊人
それって
机に伏せて寝ていたはずのしゅう君がむくっと起きてあたしたちを見る
柊人
俺にも言えないこと?
萌花
中島君には死んでもいえないわ
柊人
…萌花ちゃんに聞いてないし
柊人
絵麻に聞いてるんだけど
しゅう君はじっと私を見る
絵麻
いや、あの…
先生
おーい、小泉聞いてたか?
絵麻
え、あ、すみません聞いてませんでした
先生
しょうがないなーもう一回説明するからちゃんと聞いておけよ
絵麻
はい
それから授業は再開されて黒板に集中していたけど、ずっとしゅう君から視線を向けられている気がして
なんだか心が痛くなっていた
だって言えないでしょう? しゅう君になんて
しゅう君だってあたしだってつらいだけだから






