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柊
台所にいる母に聞こえるように
大きな声でそう言って
玄関を飛び出した
青い空、緑の葉。
柊
〈 カシャッ 〉
私はカメラのシャッターを切って
軽い足取りで学校へ向かう。
柊
涼風
涼風
珍しく、の部分を少し強調させて
意地悪な笑みを浮かべる。
どこかいつもより嬉しそうで
柊
なんて聞いてみる。
涼風
涼風
涼風
涼風
涼風
返ってきた答えは
思ってたのと違ってて
くしゃっと笑いながら
幸せそうに笑う貴方が
遠く感じて
柊
そう言って教室を飛び出した。
人気のないところで
抑えきれなくて
小さい子みたいに泣いた。
きっと貴方に向けた
必死の笑顔は歪で
きっと貴方にかけた
祝いの言葉は震えてた。
柊
そう絞り出して
構えたカメラ越しに見える景色は
灰色で。
私の世界は
柊
もう伝えられない
もう伝えちゃだめ
わかってるけど
我慢できないよ…?
柊
柊