水 平 線 の ふ ち

できるだけ嘘はないように

どんな時も優しくありたい

人の痛みを感じた時には

自分の事のように思える＿＿

こうやって付きまとうようになったのは

篠原を助けたあの日からだろうか

辛の隊士が 単独任務に出たという報告が入った

この任務は柱に引き継がれる予定だった

誤って辛隊士に伝達をしてしまったらしい

駆けつけた頃には

既に辛隊士は宙を舞っていた

気がついた頃には鬼の頸が落ちていた

正しさを別の正しさで

失くす悲しみにも出会う

篠原は水平線のように

まっすぐ、どこまでも続くような人だった

水平線が光る朝

風に飛ばされる欠片に

誰かが綺麗と呟いている

どこか悲しい声で歌いながら

いつしか海に流れ着いて光っている

恥ずかしがらず人に尋ねるといい

冨岡さんの影が見える

その影に手を伸ばす

伸ばせば伸ばすほど影が逃げる

ほんとはね、

冨岡さんに笑ってほしかっただけなの

夜明け

肩を並べられずに帰ることになった

毎日が重なる事で

会えなくなる人も出来る

鬼殺隊は

明日命があるか分からない

承知の上でみんなここにいる

透き通るほど淡い夜に

ひとつ夢が叶って

歓声と拍手の中に

誰かの悲鳴が隠れている

耐える理由を探しながら

いくつも答えを抱えながら悩んで

自分を知るでしょう

春、桜の下で微笑む

『叶ったよ』

振り返るが誰もいない

分厚い睫毛は涙で

しっとりひそひそと

誰の心に残ることも目に焼き付くこともない

今日も雑音と足音の奥で

『ここにいるよ！』

と叫んでいる

『この歌、いい歌なのにあまり知られてないんだよ』

『みんなに知って欲しくて、たまに口ずさむの』

水平線が光る朝に

希望が崩れ落ちて

風に飛ばされる欠片に

誰かが

『綺麗』

と呟いていた

気がした。

凪とは 無風状態の海のこと。 海水は揺れることなく、鏡のようになる。

『水 平 線 の ふ ち』

f i n .

𝘛𝘩𝘢𝘯𝘬 𝘺𝘰𝘶 𝘧𝘰𝘳 𝘸𝘢𝘵𝘤𝘩𝘪𝘯𝘨.

profile

篠原 凪 (しのはら なぎ) 水の呼吸の使い手 夢は冨岡に笑ってもらうこと

ななコンテスト. 鬼滅の刃 感動部門

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あとがき ↺ ．

ななコンテスト.に参加させてもらいました！

素敵なコンテストありがとうございます🥹 賞取れるように頑張りました✋🏻✋🏻 なにかしら賞取れると嬉しいです🫶🏻🩷 初めて背景を付けてみたんだけど慣れないですね🫣 ごちゃごちゃになっちゃう🥺 いろいろ詰め込みすぎちゃって 無理矢理感あるけど気にしないでください🙄💧 考察⬇️ 水平線とは一生続くもの、つまり生きつづけている。 作品の題名、水平線の“ふち”は途切れている、つまり亡くなってしまったことになる んりたなりの考察です✌🏻 他の考察も教えてください😉

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おわり