ここは、とある中学校。
生徒たちは椅子に座り、ワイワイと楽しそうに話していた。
先生が言葉を発するまでは。
先生
今から学級委員決めま〜す。
先生
立候補する奴いるか?
今までの教室が嘘のように静まり返る。
先生
……。
先生
うん、知ってた。
先生
ということで推薦式にします!
先生
紙配るから推薦したい人の名前書いて〜。
・
・
・
先生
はい、集計の結果
先生
井口翔平と白石理緒がこのクラスの学級委員になりました〜!
白石ーシライシー
は?
井口ーイグチー
え?
ここはとある中学校。
放課後、2人の生徒が残っていた。
井口ーイグチー
今日の分終わり!
井口 翔平ーイグチ ショウヘイー。 学級委員の1人だ。
白石ーシライシー
お疲れ。
白石 理緒ーシライシ リオー。 同じく学級委員の1人。
白石ーシライシー
……ここの部分、ちょっと違くない?
井口ーイグチー
あ、本当だ。気付かなかった。
井口ーイグチー
ありがとう。
白石ーシライシー
別に、後々面倒になるから伝えただけだし。
白石ーシライシー
井口くんのためとか、そういうわけじゃないから。
勘の良い方は気付いただろう。
井口ーイグチー
(白石さん、本当にかわいいな〜。)
井口ーイグチー
(周りのことよく見てるし、しっかりしてるし……!)
井口は白石に恋心を抱いていた。
対する白石も……
白石ーシライシー
(このミス気付いてなかったら修正するの誰だと思ってんだよ。)
白石ーシライシー
(井口くん本当に適当だよな。)
井口に嫌悪感を抱いていた。
井口ーイグチー
(こういうツンツンしてるところもかわいい。)
白石ーシライシー
(こっち見てんじゃねぇよ。)
しかし、2人は気付いていなかった。
この大きなすれ違いに……。