紗耶
柚愛
朝の教室
爽やかな風が頬を撫でる
紗耶
紗耶
柚愛
紗耶
突然、ニヤニヤしながら紗耶が聞いた
柚愛
柚愛
柚愛
紗耶
紗耶
柚愛
ふと浮かんだのは、君の名前。
柚愛
苦笑いしながら、私は言った
紗耶
紗耶
駄々っ子みたいな紗耶の仕草
裕貴
裕貴
ポンッ、と裕貴の手が紗耶の頭に乗った
紗耶
裕貴は紗耶の幼なじみ。 幼稚園の頃から親の仲が良く、よく遊んでいたらしい。 ………私の好きな人。
裕貴
裕貴
柚愛
柚愛
突然呼ばれて、驚いてしまう
裕貴
呆れたように言う君
2秒位、目が合った
柚愛
思わず目を反らした
胸の音が、うるさくなる
裕貴
裕貴
柚愛
せっかく、話すチャンスだったのにな。
もっと君の声が聞きたいのに。
柔らかくて、優しい、君の声が。
紗耶
紗耶
少しムッとした顔で紗耶が言った
柚愛
柚愛
慌てて答えた
今の気持ちが紗耶に伝わったら………
紗耶
全て分かってるよ、と言わんばかりの表情
なんとかごまかさなきゃ……!
柚愛
紗耶
柚愛
柚愛
少し声が上ずってくる
お願い、信じて、紗耶…!
紗耶
紗耶
紗耶
なにかを振り切ったように喋りだした
柚愛
いつも紗耶の調子につられてテンションが高くなる
紗耶
柚愛
紗耶の初恋相手は同じクラスの男子。 運動神経抜群の明るいムードメーカー。
皆の人気者で、モテるらしい。
柚愛
紗耶
紗耶
…………っ。
マジか。
柚愛
少しずつ、声が震えた
紗耶
お構い無しに話を続ける紗耶
紗耶
柚愛
紗耶
紗耶
キラキラの笑顔
それこそ、恋する乙女の笑顔
……応援しなきゃ。
私がぐずぐずしてたら、紗耶が前に進めない。
柚愛
柚愛
明るく、笑顔で、元気よく。
応援しなきゃ。背中、押さなきゃ。
私が裕貴を好きだ、なんて言ったらダメだ。
紗耶
ぎゅっ、と私を抱き締めた
柚愛
柚愛
キャッキャと笑う紗耶を横目に、私は目を伏せた
放課後
紗耶
そう言って胸を抑える紗耶。
柚愛
柚愛
何してるんだろうな……私。
裕貴のこと、大好きなのに。
紗耶
紗耶
深呼吸して、教室の扉を見る
扉の向こうには、裕貴がいる
紗耶が扉を開けた
紗耶が入っていく
開けたままの扉
声が聞こえた
裕貴
紗耶
紗耶
紗耶
紗耶
震えた声が聞こえた
君の答えは……?
裕貴
裕貴
紗耶
裕貴
紗耶
紗耶
衣擦れの音がした
きっと裕貴が抱き締めたんだろう。
柚愛
あーあ……
終わっちゃったな、私の初恋。
でも、嫌いになんてなれないよ……
まだこの恋、するのかな……
滲んだ視界に、閉め忘れた廊下の窓
優しい風が、頬を撫でる
…………
君への想いを閉じ込めて。
まだ、君に恋をした
コメント
107件
こちらこそ、ありがとー!
フォローありがとうございます‼
行ってらっしゃーい