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後ろの席の金髪王子 satoshi

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後ろの席の金髪王子 satoshi

17 - 後ろの席の金髪王子 satoshi 17

♥

1,040

2019年09月12日

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少し間があいて。

ニノが思いきり笑った。

…ぇ?

和也

ふははっ、(笑)

なんで笑ってるのっ//

和也

いや、なんかおもしれぇなって思ってさ。久しぶりにこんなに笑ったわ

もうっ。//

こんな他愛もない話をしていると

下から悲鳴が聞こえた。

和也

なに?

わかんない…

和也

ちょっ、ここで待ってて!

ぁ…

ニノは急いで部屋を出て行った。

…なんだろう。

和也

智っ!!

閉めたドアの外からでも聞こえた、ニノの

智って呼ぶ声。

智…くん?

1人部屋でポツリと智くんの名前を言ったら

もっと下からざわざわした声たちが聞こえてきた。

…なにかあったのかな。

心配になり、ニノに言われたことを無視して。

急いで部屋から出た。

…ぇ

和也

優ちゃん!

智…くん…?

目の前には

智くんが床に倒れていた。

苦しそうに息をしていて

そんな智くんを見て、心臓がバクバクした。

和也

救急車だ…

ニノはそう呟いて、急いで救急車に電話をしていた。

智くんっ、智くんっ

…っ…ぁ

涙がブワァって溢れだして、智くんの頬にたくさんの涙が溢れてしまった。

優…ちゃ

智くん!

そう言われたところで

救急車が来て

運ばれて行ってしまった。

智くん…、っ

そう呼んでも

智くんは来ない。

さっきのことが、頭に遮って心臓がバクバクする。

そして

一度出た涙は溢れだすばかりで、止まらない。

和也

大丈夫。智は強いから

…っ、ニノっ

和也

智をあんな目に合わせたヤツ、俺がぶっ飛ばすから

ニノは

優しく抱きしめてくれた。

だけど

今優しくされると、余計に止まらない涙。

和也

泣きすぎ(笑)

…っ

和也

病院…行こう

…、ぅん

ニノのバイクに乗って、智くんが運ばれた病院に向かった。

…大丈夫かな

頭も痛そうだったけど…

大野智

の名前プレートが貼ってある病室を開けたら。

そこには

静かに眠る智くんがいた。

智…くん?

そう呼んでも

智くんはスヤスヤと眠っている。

智くんの近くに行って、優しく手を握った。

ごめんね…、私のせいで…

和也

んなことねぇよ

でも

和也

大切な女を守るのは当たり前だろ?だから智に謝る必要なんてないよ

ニノはそう言って

智くんの担当医の人に呼ばれて行ってしまった。

ニノにあんなこと言われても

実際には私のせいだもんね

私のせいで、こんなケガを負わせちゃった。

智くん

前みたいに

ふにゃってした優しく笑う笑顔は見れないの?

智くん

そう呼んでも

笑顔が見れない。

…ごめんね、智くん。

…私のせいだ

私のせいで…。

和也

優ちゃん。落ち着いて聞いてね?

いつの間にか戻ってきたニノが真剣な顔で

私に言った。

和也

智…、結構ヤバイ状態みたい

…ヤバイ状態?

どういうこと?

和也

今スヤスヤ眠ってるけど、いつどういう状況になるかわからないみたい

…、どういうこと?

和也

簡単に言うと、いつ危険の状態になるかわからない

そん…な

私のせいで

こんなことに…

智くん…

智…くん…

涙は溢れるばかり。

もう止まる方法なんて

わからない。

もう

智くんが目を覚ましてくれるまで、止まらなくたっていい。

和也

優ちゃん

…っ、ニ、…ニノ

和也

大丈夫。智は優ちゃんを置いて行くわけがない

…っ

和也

智も今、必死に闘ってるんだ。だから優ちゃんも智の側にいてあげて

…っ、ぅんっ

…大丈夫

智くんなら

大丈夫だよね。

でも

私…決めたよ。

智くん…、ありがとう

智くんが目を覚ましたら

もう会わないことにする。

Kazu.side

さっきから

優ちゃんがおかしい。

そりゃ大切な彼氏がヤバイ状態になりかけてたら

おかしいのもわかるけど。

何かが違う。

…嫌な予感する。

和也

なぁ、優ちゃん

…、ん?

和也

何か考え事?

…、ぅん

和也

まだ自分のせいとか思ってる?

…、ぅん

和也

そんなことないって。そんなコト思ってたら、智に失礼でしょ

そう…だけど

和也

別れようとか…まさかだけど、思ってないよね?

まさか…ね

別れようなんて、ね。

それこそ智は

重症だよ。

頼むから

そんなわけないっ!って言ってくれよ。

…、優ちゃん。

…ぅん、思って、ないよ

だけど

優ちゃんから返ってきた返事は

少しどこか

だけど

この時の俺はバカだった。

和也

だよね(笑)別れようなんて、ね。考えすぎか

まさか…なんて思ってたから。

本当に別れがくることを、この時の俺は

思っていなかった。

智くんが病院に運ばれてから、あっという間に

日付が変更していた。

…1時

和也

大丈夫?寝てなよ、俺見てますから

ううん、大丈夫

和也

そか

心配で寝れないよ。

目が覚めるまでは、絶対に寝ないって決めたもん。

そんなとき

ずっと握っていた智くんの手がピクッて

動いた。

智くん?

和也

どーした?

今…手が

和也

マジか、俺先生に言ってくるわ

ニノが病室を出た瞬間

智くんのまぶたが

ゆっくりと…開いた。

智…、くん?

んん…

起き…た

んと…、優ちゃん?

ぅんっ。良かった、っ

目を覚ました瞬間

いつの間にか止まっていた涙が、また溢れだした。

泣く…な、ょ

だっ…、て…

可愛い…顔、台無し…だか、ら

うまく喋れていない智くん。

そんな中、智くんは私の頭をポンポンってしてくれた。

…ようやく

あの笑顔が見れた。

ごめんっ、ね、っ…

あやま…る、な

っ、…

体を重そうに、起き上がり

私を…

優しく抱きしめてくれた。

夢の中でね?、優ちゃん…が、泣い…てた

…っ

だか…ら、優しく、抱きしめ…ようと、したら…だんだん、離れて行って…

…ぅん

不安…に、なって…、俺…怖かった…

ぅ、ん…

目が、覚め、た…とき、優ちゃん、がいて、スゲー、安心、した

カタコトで喋る智くんを優しく抱きしめ返す。

別れようなんて、バカなコト考えてた。

…でも

私は

私で

私なりの考え。

決めたよ。

優…ちゃ、

智くんとの唇が触れそうになったとき

病室のドアが開いた。

和也

智!!

るせぇ…(笑)

和也

良かったぁ~

ふふ、俺は…、大丈夫だっつーの

ニノは智くんに抱きついた。

智くんはそれを優しく受け止めていて。

心がホッて

癒された。

ふふっ

和也

やっと笑った

ぇ?

和也

智が倒れてから、ずっと笑顔が見れなかったからさ

そっか…

そういえば、ずっと笑ってなかったかも。

優ちゃん、こっち、おいで?

手招きする智くんのところへ急いで行くと。

いきなり後頭部に手を添えられた。

智くっ、…ん

智くんって言い終わる前に、智くんの唇に

押し付けられた。

んん、さと…、//

ふふ、//頑張った…ご褒美

和也

イチャイチャはよそでやれ(笑)

いつまでもこんな日々が続けばいいのに

って思った。

後ろの席の金髪王子 satoshi

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コメント

7

ユーザー

続き見たすぎてハート1000にしました

ユーザー

続き見てね😊

ユーザー

ありがとう😊w

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