優
智
あれから無事に智くんは、退院をした。
お医者さんも想像以上の回復力で
びっくりしていた。
智
優
智
優
智
優
早く…
言わなきゃ
言わないと…。
優
智
優
智
優
矛盾しているのはわかってる。
智くんを嫌いになった
わけじゃない。
むしろ
もっと大好きになった。
だけど…
あんなこと私のためにしてほしくない。
智くんに
もうあんな苦しい思いをさせたくない。
ベッドで眠っていた智くんを思い出すと
胸がズキンズキンってする。
智
優
智
優
そう一言を残して
智くんに背を向けた。
追ってこない智くん。
そりゃそうだよね。
こんな私
追ってくるわけない。
色んな感情が混ざって
涙がブワァって
溢れだしてきた。
声を押し殺して
泣いた。
ごめんなさい、智くん。
少し久しぶりの学校。
智くんとは気まずいまま。
ちょっと憂鬱(ゆううつ)な気分で学校に行くと、先生に呼び出された。
先生
優
先生
優
先生
優
先生
優
先生
優
先生
かかわるな…?
智くんと?
確かに今は距離を
おいてるけど…
智くんのコト
そういう言い方しないでほしい。
優
先生
優
先生
優
自分でも驚くくらい
大きな声が出た。
廊下に呼び出されたから、周りのみんなの目がイタイ。
…けど
関係ないもん。
スキっていうキモチに嘘はないから。
先生
優
先生
後ろから誰かに腕を強く引っ張られた。
ずんずんと前に歩く人。
…、金髪…
…智くん?
引っ張られるがままに、着いて行った。
優
屋上に着くと
金髪の後ろの頭が
ゆっくりとこっちを向いた。
優
智
優
智
優
金髪に染めた智くんは
まるで別人みたい。
智
優
智
距離をおいたカップルとは思えない私たち。
だけど
智くんの目は真っ赤だった。
優
智
優
智
優
智
優
智
智
智
優
優しく智くんに引き寄せられて
智くんの胸の中に。
智
優
智
智
さっきよりも
強い力で抱きしめられて。
智くんのスキの想いが
伝わってきた。
…、智くん
優
智
優
結局
私もダメだった。
智くんと離れるなんて、無理だった。
智
優
私も。
って言われる前に、唇を塞がられて。
言えなかった私も。
の言葉を智くんのキスに想いを込めた。
智
優
智
優
もうすぐで
春がくる。
進路も決めなきゃ。
智くんと離れちゃうかもだけど。
きっと
いや、絶対にこの先
スキというキモチは一生変わらない。
智
肌寒い屋上から
教室に戻って
進学の話を智くんが
聞いてきた。
優
智
優
智
優
智
優
智
優
智くんと
離れちゃうのかぁ…。
智くんは仕事して
私も進学して
二人で会う機会は…
どんどん少なく
なっていくのかな。
智
優
智
優
智
優
智
優
教室にいるのも忘れて
智くんに思いきり
胸の中に飛び込んだ。
優
智
これからたくさん
不安があると思うけど。
この二人なら
乗り越えられる。
大好き