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私は桜の木下にいる。
この辺では隠れ名所になっている、知る人ぞ知るこの町で一番大きい桜の木。
私はこの桜の木が毎年咲くのを楽しみにしている。
満開の時は、下の方は枝垂れて、上は立派な花が咲く、綺麗の一言では終わらないほど美しい絶景になる。
しかも少し外れの場所ということもあり、建物もなく木が生い茂る。
私は毎日ここで本を読むのが日課だった。
そんなある日、私は1人の男の子と出会った。
明らかに痩せ細った体と病院着を纏い木下に座っていた。
私は構わず彼から少し離れた位置に座ると、
急に声をかけられた。
??
こはる
??
??
こはる
??
こはる
こはる
??
と彼の言葉が詰まった。
関係ないはずなのに、気がつけば私は
こはる
と聞いていた。
??
こはる
??
??
こはる
私の言葉も詰まってしまった。
余命とかってドラマとかの話だと思ってたから、実際にあるんだと、驚きを隠せなかった。
??
??
??
そう言って、彼はこの場を去っていった。
翌日も私はこの場所を訪れた。
でも、彼の姿はいなかった。
昨日のことが夢だったんじゃないかと錯覚してしまうほどだったので、気にしないことにした。
そして夕暮れが来る頃に家に帰る。
家に帰るとお母さんが誰かと電話をしているようだった。
私は手を洗っていると電話を終えたお母さんがこちらへ来た。
小春の母
小春の母
こはる
こはる
小春の母
小春の母
小春の母
こはる
そして私は自室へ戻った。
これは俗に言う、不登校とやらなのかもしれない。
でも私はそんな自覚もなく、ただ本を読んでいた。
翌日もその翌日もあの場所へ行った。
そして1週間経ったある日、
今日は彼がいた。
そういえば名前も聞いてなかったと思い、
こはる
こはる
こはる
??
とあ
とあ
こはる
そしてまた黙々と本を読んだ。
昼過ぎごろに彼は立ち上がり、
とあ
そう言い残し彼は去っていった。
私は夕暮れが近づいてきたと同時に立ち上がる。
そして日が沈まないうちに帰る。
そんな日々が何日も続いた。
でもあれから彼はまた来ていない。
そして私も学校へは1回も行っていない。
冬がすぐそこまで来ていた。