本格的な冬がやってきた。
最近は吹雪く日も多く、なかなかあそこへ行けていない。
久しぶりにカラッと晴れて、まだ少し暖かさを感じるある日、私は久しぶりにあの木の下へ行った。
すると防寒着を身に纏った彼が座っていた。
何ヶ月ぶりに彼を見たのだろう。
私はすぐに彼の元へ駆け寄って、
こはる
とあ
マスクをしている彼は少し話しにくそうにしていた。
とあ
とあ
こはる
そして今日も黙々と本を読み続けた。
日が真上に来た頃、彼が呟いた。
とあ
こはる
とあ
こはる
そして数分の沈黙が続いた後、先に口を開いたのは彼だった。
とあ
こはる
とあ
こはる
とあ
こはる
彼と指切りをした。
そしてまた昼過ぎに彼は帰っていった。
私も夕暮れが来る前に帰った。
家に帰り、手を洗っているとお母さんが話しかけてきた。
小春の母
小春の母
小春の母
小春の母
こはる
小春の母
小春の母
こはる
そして約束の日になった。
朝起きて用意をして数ヶ月ぶりに制服に袖を通す。
姿見を見て身だしなみをチェックする。
こはる
そう呟いた後、学校へ向かった。
いざ校門を目の前にすると少し足がすくんだ。
でもなんとか一歩踏み出した。
昇降口まで行くと、クラスの子たちと目が合った。
すかさずその子たちは
モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
笑い声が聞こえる
私は急いでその場を離れた。
必死に走った
走って走って
気がついたら保健室前に来ていた。
でもまだあの笑い声が耳に張り付いて離れなかった。
ノックをして、入った。
すると保健室の先生が出迎えてくれた。
そしてふと目をやると、担任の先生もいた。
保健室の先生
担任
そして窓側に一つ置かれた席に案内された。
そして2時間ほど勉強した後、私は帰った。
それから何日も過ぎていった。
私はまた学校へ行けなくなった。
吹雪く日も多くてあそこへも行くことも少なくなった。
彼ともあれ以降会えていない。
でも冬だと感染症が流行りやすいのも事実だし、会えないのも仕方ないと思う。
でも、ふとした時に彼の優しい笑顔が思い浮かぶ。
こはる
そう呟いた後、暖かい部屋の中で眠りについた…